お金のプロにきく!知っていると得する“年金術”
2022年6月2日(木)
お金のプロにきく!知っていると得する“年金術”
今年の4月に“年金制度”が改正されました。今回は誰もが知りたい“年金”について、プロを交えて徹底解説しました。
今回はファイナンシャルプラナーでもあり、社会保険労務士の資格もお持ちの川部紀子さんにお話を伺いました。
今回はファイナンシャルプラナーでもあり、社会保険労務士の資格もお持ちの川部紀子さんにお話を伺いました。
年金の仕組み
受給開始年齢は65歳です。年金は、20〜60歳の全ての人が加入して支払う「国民年金」と、会社員・公務員が支払っている「厚生年金」の2つに分かれています。
今月は、今年度初の年金受給があります。受給額は国民年金の場合は6万4816円。厚生年金の場合は、国民年金分を含めて15万4777円です。この金額について、街の人から「年々少なくなっている」という声が届いています。
今月は、今年度初の年金受給があります。受給額は国民年金の場合は6万4816円。厚生年金の場合は、国民年金分を含めて15万4777円です。この金額について、街の人から「年々少なくなっている」という声が届いています。
今年の4月から支給額は0.4%減額されています。年金支給額は、物価や賃金の増減に合わせて毎年改定されていて、支えている現役世代の給料が減ることで、受給額も引き下げになります。
繰上げ・繰下げ制度
今年変わった制度の一つが「繰上げ・繰下げ制度」です。基本は65歳からの受給ですが、この制度では受給開始年齢の選択ができるようになります。改正前は60〜70歳の間で選択できましたが、改正後は60〜75歳まで広がりました。
この制度は、一定の条件を満たせば年金額がアップする方法でもあります。受給開始時期を“繰上げ”すると、毎月の基準額からマイナス0.4%減額されます。一方、“繰下げ”すると毎月基準額からプラス0.7%増額されます。
この制度は、一定の条件を満たせば年金額がアップする方法でもあります。受給開始時期を“繰上げ”すると、毎月の基準額からマイナス0.4%減額されます。一方、“繰下げ”すると毎月基準額からプラス0.7%増額されます。
この制度には注意点があります。毎月のプラスやマイナスは一生続くので、選択は途中で変更できません。
いつから貰えば得するの?
年金の受給は基本は65歳ですが、70歳から貰い始めると65歳の総額を82歳で追いつき、75歳から貰うと65歳の総額を87歳で追いつくことになります。しかし、税金と国民健康保険料を考慮すると、追いつくのにさらに4〜5年かかることに。
一方で、日本人の最多死亡年齢は男性88歳、女性92歳だというデータもあります。このデータをもとに、川部さんは「年金は慌てて貰うと損、待つことで得になる」と話します。
一方で、日本人の最多死亡年齢は男性88歳、女性92歳だというデータもあります。このデータをもとに、川部さんは「年金は慌てて貰うと損、待つことで得になる」と話します。
繰下げしている途中で健康診断に引っ掛かり、将来が不安になった場合は、5年の範囲内で一括請求することができます。繰下げ途中で亡くなった場合は、5年の範囲内で遺族が一括で貰えます。ただし、繰下げ分のプラス0.7%はされません。
働いていても年金が貰いやすく!
60〜64歳の働く人を対象とした制度も改正されています。改正前は給与と年金が基準額の“28万円”を超えると超過分はカットされていましたが、改正後は基準額が“47万円”にアップしています。65歳以降の基準額はもともと47万円だったので変更はありません。