1月31日放送「心臓疾患の症状」
2021年2月8日(月)
1月31日放送「心臓疾患の症状」
陶:今日の放送はゲストに 医療法人春林会 華岡青洲記念病院の管家鉄平(すがや てっぺい)先生をお招きしました。管家先生は心臓内科の先生なんですが、透析患者さんの心臓の血管というのはどうしても傷みやすいので、それを私達と連携してしっかりそれを救ってくださっているという方…第一人者の先生です。かつ、私と同い年なんです。
山:では、「Dr.トーコのラジオ診療室」、菅家先生、今日のテーマは?
管:「心臓疾患の症状」です。日々、心臓疾患の患者さんと接していて、心臓の病気には実際にどのような症状があるのか、今回は患者さんの立場からわかりやすくお話ができればと思います。
陶:管家先生は本当の意味で「患者さんの立場から」を考えて、患者さんと向きあってくれるのでいつも私も頼りにしています。ということで、今日はまず本題に入る前に、管家先生が勤めている華岡青洲記念病院のご紹介をさせてください。札幌市豊平区美園の国道36号沿いにある、心臓専門の病院です。病院名の「華岡青洲」、これはじつは実際に存在したお医者さんのお名前なんですが、山本さんはご存じでしたか?
山:すみません、勉強不足で…
陶:大丈夫です!ちょっと解説しますね。華岡青洲先生は、1804年に世界初の全身麻酔手術を成功した外科医師で、歴史的にも実践的にも医学に大きな業績を遺されました。現理事長でいらっしゃる華岡慶一先生がその系譜の9代目にあたる方です。「華岡青洲記念病院」は2016年に開設された比較的新しい病院なんですが、そうした由緒正しく深い歴史があるんですね。…というところで管家先生、まずは貴院の理念についてのご説明をお願いします。
管:当院の理念は、華岡青洲先生の遺した2つの言葉そのもの、『内外合一』と『活物窮理』に表されます。
山:「内外合一」と「活物窮理」ですか。初めて聞く四字熟語ですね…
管:はい、『内外合一』とは、医療を行う上で内科と外科に分かれて診療することは決して悪いことではないんですけど、内科でも外科でも互いに自分の専門外といって何も知らないようでは十分な治療を行うことは出来ないので、コミュニケーションをとってしっかり学びあおう、ということ、です。
山:先生たちが分野の境目をなくして情報や意識を共有してくださっているという感覚ですか?
管:その通りです。この「内外合一」を実践するために、当院では毎朝7時45分から、専門医が13名集まって、加えて看護師さん、検査技師さん、臨床工学技士さん、さらに事務職員も含めた約20名で、カンファレンス=検討会を行なっています。(もちろん、密を避けながらです)
山:そしてもうひとつは「活物窮理」でしたね…。
管:『活物窮理』とは難しい言葉なんですけれど、我々の治療の対象は生きた人体、つまり「活物」であり、その構造や働きを知り尽くした上で、つまり「窮理」ですね、医療を行うべきである、ということが華岡先生が仰っていたこと、なんです。
山:治療は、人体の構造や働きを知り尽くしたうえで行うべきである、と…
管:そうですね、それを現代の我々の病院では様々な高性能のCTやMRIなどの医療装置を駆使することで一つの形として実践しています。例えばCTでは毎日30例程の心臓CT検査を行なうことができます。
陶:これね、私も自分の患者さんや家族も診ていただいているので実際のCT画像を拝見することがあるんですが、すごい精緻さなんですよ。
管:それでは病院のご紹介はこれくらいにして、今日のテーマの、「心臓疾患の症状」に入らせていただきます。「心臓疾患になると患者さんにどんな症状が出るのか」ということをわかりやすく説明できればと思います。どうしてこういう話を私がするかというと、今までいろんな先生に出会ってきた中でも特に凄いな〜と思った先生との会話から、とある「学び」を得たことが背景にあります。その先生とは実は陶子先生のお父さんである橋本史生先生なんです。まだ私が研修医上がりのときに、心臓疾患の画像診断技術の進歩について自慢げに説明していたところ、「それはすごいかもしれないが、もっと大事なのは患者さんの話をちゃんと聞いて、そして触って、それを感じることだ、ということを絶対忘れちゃいけないんだよ。」ということを仰って頂いて、非常に感銘をうけました。それからは画像診断というよりも、まずは患者さんの症状というのをしっかり聞くということに力を入れています。あとは、我々は実際の診療の現場では、患者さんの書かれた問診票や、看護師からの情報だけで物事を判断することもままあるんですね。ただ、大切なことはやっぱり患者さん本人に直接聞かないと伝言ゲームと一緒で同じで、情報が意図した形で伝わらないこともあるんですね。情報というのは、聞いた人の持っている知識とか経験や感情で、違うものに変化してしまうので。やはり直接患者さんからお話を聞く、ということを大事にしています。
山:では、患者さんの問診でよくある「心臓の症状」について教えてください。
管:はい。まずよくあるのが、「胸が痛い」という症状なんですが、「胸が痛い=狭心症や心筋梗塞」というわけではありません。今から私が言うのは狭心症や心筋梗塞ではない可能性が高い症状です。こちらを羅列したいと思います。
<狭心症や心筋梗塞ではない可能性が高い症状>
・胸がチクチク、ズキズキ
・痛い範囲がすごく狭い
→例えば指を差して、ここが痛い、心臓が痛いと言う場合は心臓でない可能性が高いです
・テレビを見ている時や、本を読んでいるときだけの症状
・年に数回だけしか起きない
・「放散痛」という言葉
→これは心臓が痛いのと同時に歯が痛くなるとか、肩が痛くなるということをさしますが、それを知っている方の中には「放散痛」ばかりが重要であるように思えてしまうことがあります。そうすると歯が痛いとき、肩が痛いときにいつも心臓が心配になってしまうようです。歯が痛いとき、肩が痛いとき「だけ」に心臓が心配になるようでしたら、それはむしろ心臓の病気ではないことが多いです)
・救急外来などで「胸が痛いんです」など沢山お話をされる方
→心臓というのは大事な働きをしておりますので、本当に心臓が切羽詰まっている状態ならば「今やっていることを続けられないほどのこと」として症状にあらわれるはず、たくさん話す余裕はあまりないかもしれません
陶:皆さん、心臓の場所、とか胃の場所というのは「ここだ」と思っていますよね。でも、よく考えてみてください。どこかが痛いとき、その場所や感じ方だけではそもそも「いま痛い臓器が何なのか」はわからないはずなのです。ですので、私たちは患者さんの言葉に耳をかたむけつつも、本当は何が痛いのか、苦しいのかということを客観的に診て考えているということなんです
管:次に、逆に「これだったら心臓がマズいんじゃないか」という症状についてなんですが…
<狭心症や心筋梗塞の可能性が高い症状>
・胸が全体的に重たい、締め付けられる(広い範囲で)
・胸をグーとかパーでおさえている →患者さんの手の押さえ方でわかるときがあります
・階段をのぼったり重いものを持ったりした時に症状が出て、休むと良くなる
・「再現性」→毎回同じことをやったらいつも同じ症状が起きる
・今やっていた行動を続けることができない
→さきほどの「あまり心配ない」場合の逆で、やはり心臓というのは大事な働きをしているので、切羽詰まっている状態では行動を続けることができなくなってしまいます
・口数が少ない。
管:それと、よくあるのが「足がむくむ」という症状です。足がむくむ=心臓の病気…心不全をすごく心配される方がいらっしゃいます。それを見極めるポイントなんですが、まず「片足か、両足か」。心臓であれば、両足にくることが多いです。あとは、足がむくむ部分がどこか…靴を履いている部分だけむくむ場合か、すねから下全体がむくんでいるか。すねから下全体がむくんでいるときは心臓や腎臓の異常を疑ったほうがいいと思います。続いて、朝になったら良くなるむくみですが、これはたいてい寝ているときに重力で心臓に水が戻りやすくなるので、重力に負けて下に水が溜まっているだけ、と解釈できますから、心臓の症状でないことの方が多いです。また、足の他に手や顔のむくみがあるか。体重増加があるか。そういうことがあれば、心臓や腎臓の病気を疑ったほうがいいと思います。それと、仰向けになって寝ると苦しいかどうかというのも、問診の大事なポイントだと思います。
陶:足がむくむときには腎臓が悪いのではないかと心配する方も多いと思うんです。一見してそれが腎臓なのか心臓なのかわからないこともしばしばです。そんなとき、こういった問診に加えて検査を続けていくことでひとつひとつ、手がかりを見つけていくわけです。それは私達は「鑑別」という言葉表現します。色々な情報を分類して解釈して、何が原因か考え続けるということ。患者さんの言葉はその最初の糸口だったりするわけです。
管:ただ、典型的な症状を示さない人たちもいることにやはり注意が必要なので、そんなときは当院の画像診断装置が非常に役立つと思います。例えば糖尿病の患者さんなどは神経障害によって痛みを感じないので、なかなか症状を訴えないことがあります。あとはご高齢の方も自分でうまく表現できなかったりとか、普段あまり動かないので、なかなか症状がわからないということも。あとは、陶子先生がよくご存知だと思いますが、透析患者さんも典型的な症状を出さないですね。
陶:透析中、血圧が下がった。唯一それだけが心臓の症状だった、ことも時々あります。透析中に血圧が下がること自体はよくあることなので、そのすべてが心臓のせいだ、というわけではもちろんありません。ただ、私達が「この透析中の血圧低下は不可解だな」と思った患者さんについては管家先生にご相談し、心臓の異常を見つけていただく、ということはよくありますね。と、ここまでお話頂いたように、心臓の症状というのは本当に色々なものがあります。玉石混交ともいえる症状の中から、かゆいところに手が届く精度でしっかり検査をして問題を発見して治療まで導く。そうした透析患者さんの心臓に関する診療を信頼してお任せできるパートナーとして管家先生をお呼びしてみたわけですが、今日は難しい話も、とてもわかりやすくお話頂けたと思います。
山:今日は、華岡青洲病院の管家鉄平先生をゲストにお招きして、「心臓病の症状」についてお話しいただきました。管家先生ありがとうございました。
管:ありがとうございました。
陶:管家先生には来週もお話していただこうと思います!
山:では、「Dr.トーコのラジオ診療室」、菅家先生、今日のテーマは?
管:「心臓疾患の症状」です。日々、心臓疾患の患者さんと接していて、心臓の病気には実際にどのような症状があるのか、今回は患者さんの立場からわかりやすくお話ができればと思います。
陶:管家先生は本当の意味で「患者さんの立場から」を考えて、患者さんと向きあってくれるのでいつも私も頼りにしています。ということで、今日はまず本題に入る前に、管家先生が勤めている華岡青洲記念病院のご紹介をさせてください。札幌市豊平区美園の国道36号沿いにある、心臓専門の病院です。病院名の「華岡青洲」、これはじつは実際に存在したお医者さんのお名前なんですが、山本さんはご存じでしたか?
山:すみません、勉強不足で…
陶:大丈夫です!ちょっと解説しますね。華岡青洲先生は、1804年に世界初の全身麻酔手術を成功した外科医師で、歴史的にも実践的にも医学に大きな業績を遺されました。現理事長でいらっしゃる華岡慶一先生がその系譜の9代目にあたる方です。「華岡青洲記念病院」は2016年に開設された比較的新しい病院なんですが、そうした由緒正しく深い歴史があるんですね。…というところで管家先生、まずは貴院の理念についてのご説明をお願いします。
管:当院の理念は、華岡青洲先生の遺した2つの言葉そのもの、『内外合一』と『活物窮理』に表されます。
山:「内外合一」と「活物窮理」ですか。初めて聞く四字熟語ですね…
管:はい、『内外合一』とは、医療を行う上で内科と外科に分かれて診療することは決して悪いことではないんですけど、内科でも外科でも互いに自分の専門外といって何も知らないようでは十分な治療を行うことは出来ないので、コミュニケーションをとってしっかり学びあおう、ということ、です。
山:先生たちが分野の境目をなくして情報や意識を共有してくださっているという感覚ですか?
管:その通りです。この「内外合一」を実践するために、当院では毎朝7時45分から、専門医が13名集まって、加えて看護師さん、検査技師さん、臨床工学技士さん、さらに事務職員も含めた約20名で、カンファレンス=検討会を行なっています。(もちろん、密を避けながらです)
山:そしてもうひとつは「活物窮理」でしたね…。
管:『活物窮理』とは難しい言葉なんですけれど、我々の治療の対象は生きた人体、つまり「活物」であり、その構造や働きを知り尽くした上で、つまり「窮理」ですね、医療を行うべきである、ということが華岡先生が仰っていたこと、なんです。
山:治療は、人体の構造や働きを知り尽くしたうえで行うべきである、と…
管:そうですね、それを現代の我々の病院では様々な高性能のCTやMRIなどの医療装置を駆使することで一つの形として実践しています。例えばCTでは毎日30例程の心臓CT検査を行なうことができます。
陶:これね、私も自分の患者さんや家族も診ていただいているので実際のCT画像を拝見することがあるんですが、すごい精緻さなんですよ。
管:それでは病院のご紹介はこれくらいにして、今日のテーマの、「心臓疾患の症状」に入らせていただきます。「心臓疾患になると患者さんにどんな症状が出るのか」ということをわかりやすく説明できればと思います。どうしてこういう話を私がするかというと、今までいろんな先生に出会ってきた中でも特に凄いな〜と思った先生との会話から、とある「学び」を得たことが背景にあります。その先生とは実は陶子先生のお父さんである橋本史生先生なんです。まだ私が研修医上がりのときに、心臓疾患の画像診断技術の進歩について自慢げに説明していたところ、「それはすごいかもしれないが、もっと大事なのは患者さんの話をちゃんと聞いて、そして触って、それを感じることだ、ということを絶対忘れちゃいけないんだよ。」ということを仰って頂いて、非常に感銘をうけました。それからは画像診断というよりも、まずは患者さんの症状というのをしっかり聞くということに力を入れています。あとは、我々は実際の診療の現場では、患者さんの書かれた問診票や、看護師からの情報だけで物事を判断することもままあるんですね。ただ、大切なことはやっぱり患者さん本人に直接聞かないと伝言ゲームと一緒で同じで、情報が意図した形で伝わらないこともあるんですね。情報というのは、聞いた人の持っている知識とか経験や感情で、違うものに変化してしまうので。やはり直接患者さんからお話を聞く、ということを大事にしています。
山:では、患者さんの問診でよくある「心臓の症状」について教えてください。
管:はい。まずよくあるのが、「胸が痛い」という症状なんですが、「胸が痛い=狭心症や心筋梗塞」というわけではありません。今から私が言うのは狭心症や心筋梗塞ではない可能性が高い症状です。こちらを羅列したいと思います。
<狭心症や心筋梗塞ではない可能性が高い症状>
・胸がチクチク、ズキズキ
・痛い範囲がすごく狭い
→例えば指を差して、ここが痛い、心臓が痛いと言う場合は心臓でない可能性が高いです
・テレビを見ている時や、本を読んでいるときだけの症状
・年に数回だけしか起きない
・「放散痛」という言葉
→これは心臓が痛いのと同時に歯が痛くなるとか、肩が痛くなるということをさしますが、それを知っている方の中には「放散痛」ばかりが重要であるように思えてしまうことがあります。そうすると歯が痛いとき、肩が痛いときにいつも心臓が心配になってしまうようです。歯が痛いとき、肩が痛いとき「だけ」に心臓が心配になるようでしたら、それはむしろ心臓の病気ではないことが多いです)
・救急外来などで「胸が痛いんです」など沢山お話をされる方
→心臓というのは大事な働きをしておりますので、本当に心臓が切羽詰まっている状態ならば「今やっていることを続けられないほどのこと」として症状にあらわれるはず、たくさん話す余裕はあまりないかもしれません
陶:皆さん、心臓の場所、とか胃の場所というのは「ここだ」と思っていますよね。でも、よく考えてみてください。どこかが痛いとき、その場所や感じ方だけではそもそも「いま痛い臓器が何なのか」はわからないはずなのです。ですので、私たちは患者さんの言葉に耳をかたむけつつも、本当は何が痛いのか、苦しいのかということを客観的に診て考えているということなんです
管:次に、逆に「これだったら心臓がマズいんじゃないか」という症状についてなんですが…
<狭心症や心筋梗塞の可能性が高い症状>
・胸が全体的に重たい、締め付けられる(広い範囲で)
・胸をグーとかパーでおさえている →患者さんの手の押さえ方でわかるときがあります
・階段をのぼったり重いものを持ったりした時に症状が出て、休むと良くなる
・「再現性」→毎回同じことをやったらいつも同じ症状が起きる
・今やっていた行動を続けることができない
→さきほどの「あまり心配ない」場合の逆で、やはり心臓というのは大事な働きをしているので、切羽詰まっている状態では行動を続けることができなくなってしまいます
・口数が少ない。
管:それと、よくあるのが「足がむくむ」という症状です。足がむくむ=心臓の病気…心不全をすごく心配される方がいらっしゃいます。それを見極めるポイントなんですが、まず「片足か、両足か」。心臓であれば、両足にくることが多いです。あとは、足がむくむ部分がどこか…靴を履いている部分だけむくむ場合か、すねから下全体がむくんでいるか。すねから下全体がむくんでいるときは心臓や腎臓の異常を疑ったほうがいいと思います。続いて、朝になったら良くなるむくみですが、これはたいてい寝ているときに重力で心臓に水が戻りやすくなるので、重力に負けて下に水が溜まっているだけ、と解釈できますから、心臓の症状でないことの方が多いです。また、足の他に手や顔のむくみがあるか。体重増加があるか。そういうことがあれば、心臓や腎臓の病気を疑ったほうがいいと思います。それと、仰向けになって寝ると苦しいかどうかというのも、問診の大事なポイントだと思います。
陶:足がむくむときには腎臓が悪いのではないかと心配する方も多いと思うんです。一見してそれが腎臓なのか心臓なのかわからないこともしばしばです。そんなとき、こういった問診に加えて検査を続けていくことでひとつひとつ、手がかりを見つけていくわけです。それは私達は「鑑別」という言葉表現します。色々な情報を分類して解釈して、何が原因か考え続けるということ。患者さんの言葉はその最初の糸口だったりするわけです。
管:ただ、典型的な症状を示さない人たちもいることにやはり注意が必要なので、そんなときは当院の画像診断装置が非常に役立つと思います。例えば糖尿病の患者さんなどは神経障害によって痛みを感じないので、なかなか症状を訴えないことがあります。あとはご高齢の方も自分でうまく表現できなかったりとか、普段あまり動かないので、なかなか症状がわからないということも。あとは、陶子先生がよくご存知だと思いますが、透析患者さんも典型的な症状を出さないですね。
陶:透析中、血圧が下がった。唯一それだけが心臓の症状だった、ことも時々あります。透析中に血圧が下がること自体はよくあることなので、そのすべてが心臓のせいだ、というわけではもちろんありません。ただ、私達が「この透析中の血圧低下は不可解だな」と思った患者さんについては管家先生にご相談し、心臓の異常を見つけていただく、ということはよくありますね。と、ここまでお話頂いたように、心臓の症状というのは本当に色々なものがあります。玉石混交ともいえる症状の中から、かゆいところに手が届く精度でしっかり検査をして問題を発見して治療まで導く。そうした透析患者さんの心臓に関する診療を信頼してお任せできるパートナーとして管家先生をお呼びしてみたわけですが、今日は難しい話も、とてもわかりやすくお話頂けたと思います。
山:今日は、華岡青洲病院の管家鉄平先生をゲストにお招きして、「心臓病の症状」についてお話しいただきました。管家先生ありがとうございました。
管:ありがとうございました。
陶:管家先生には来週もお話していただこうと思います!