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ダルビッシュ投手の活躍から紐解く、今年のファイターズ

先日、ファイターズからメジャーへと活躍の舞台を移したダルビッシュ投手が日米通算200勝を達成しました。
その際に2006年、2012年、2016年は特に「選手の成長が優勝の原動力だった」とご紹介しました。
では、その当時どんな選手が成長し、今年はどんな選手の成長が見込めるのか。

まずは2006年。
この年は間違いなく投手陣の成長がキーポイント。
ともに12勝を挙げたルーキー八木智哉投手とダルビッシュ有投手。
そのほか中継ぎでは50試合以上登板した武田久現投手コーチと
マイケル中村さんに加え、この年はのちにメジャーレッドソックスで活躍する
岡島秀樹さんがいたことが、僅差で試合をものにできた要因でした。
また、打者ではこの年からレギュラーになった、
1、2番コンビの森本稀哲現コーチと田中賢介さんの交流戦を挟んだ成長、
更に前年までわずか4試合出場だった鶴岡慎也さんが76試合でマスクをかぶると、
のちにダルビッシュ投手との名コンビとなる大きな飛躍のきっかけにしました。
この成長があったからこそ、翌2007年の連覇にもつながり、
2009年の優勝にもつながったといっていいでしょう。

続いて、2012年。
主軸の糸井嘉男さんや稲葉篤紀さんに加えて打者で成長したのが
144試合すべてに出場した中田翔（現中日）選手、と陽岱鋼（現新潟）選手の2人。
投手陣ではこの年のMVPに選ばれた吉川光夫（栃木ゴールデンブレーブス）投手。
前年までプロわずか6勝と、期待されながら伸び悩んでいた投手でしたが、
この年は25試合で14勝5敗、防御率1.71とエースとして活躍。

そして、2016年。
まず、打者のほうでは西川遥輝選手。
2014年に盗塁王をとりながら、2015年に怠慢とも取れるプレーで
2軍降格を言い渡されるなど、いわばムラのある成績でしたが、
この年は現在までのキャリアハイの打率.314をマーク、
そしてもう一人が中島卓也選手、この年は2015年の盗塁王を引っ提げ、
パ・リーグ最多62犠打とつなぎに徹する姿は成長を感じさせました。
そしてなんといっても投手でありながら、104試合に打者として出場。
打率.322、本塁打22本、67打点を稼いだ大谷翔平選手の打者としての活躍も見逃せません。
この年は間違いなく「打者・大谷翔平」の覚醒元年といっていいでしょう。
投手では前の年、いえ、シーズン前半までクローザーだった増井浩俊さん。
7月9日、二軍から昇格すると以降は先発として7勝を挙げ、
結果10勝3敗と先発投手として活躍し、先発投手として覚醒しました。
その先発二けた4人衆（有原・大谷・増井）の中でも覚醒したのが
当時大卒3年目高梨裕稔（現東京ヤクルト）投手。
今もキャリアハイである10勝2敗、防御率2.38を記録しました。

では、今年の成長を見込める選手は？というと、すでに45試合中38試合に出場し、
規定打席にわずかに足りませんがパ・リーグ打率ランク2位相当の.322、
得点圏打率1位相当.452の田宮裕涼選手。
球界でも長年嘱望されている打てる捕手爆誕、
更に先週のオールスターファン投票中間発表ではパ・リーグ堂々の第１位！
セ・リーグの野球中心にご覧になってる方は1994年にすい星のごとく現れた
イチローさん並みの衝撃かもしれませんね！

そのほか今年野手で伸びてきたのが水野達稀選手。
昨年までのプロ2年でわずか52試合出場でしたが、
今季は45試合中42試合出場プロ初HRに続いて2号も放つなど、
打撃はもちろんですが難しいエスコンの内野でわずか失策4つ、
捕殺は遊撃手で1位の122捕殺（二塁や一塁に送ってアウトにした数）、
なにより野球で大事なセンターラインであるショートが固定できているのが強さの秘訣です。
そのほか昨年までプロ2年で9勝の北山投手を筆頭に、
昨新人年にけがで5月以降棒に振った金村投手や、
後半には必ずキーマンになってくれると信じている伊達出身の根本悠楓投手。
まもなく初勝利を挙げてくれるでしょう福島蓮投手、
直近では畔柳投手も期待値がググっと上がってくる選手です。
これも、30歳以上の山崎福也、加藤貴之両投手が柱になってくれているのが大きいし、
いざというときには頼りになる千歳出身伏見寅威選手が若い投手陣に安心感を与えてくれます。
確かに今首位のホークスは完成された強いチームです。
ただ、そのホークスより強くなる可能性を秘めているのが
今年のファイターズというのは間違いなさそうです。
期待していきましょう！