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【ナゾトキ】災害時の飲み物や充電 どうすれば良い?

生活に潜む、さまざまなナゾを解き明かす「ナゾトキ」です。

まずは、こちらの写真をご覧ください。

壊された自動販売機です。

能登半島地震の避難所で、中の飲み物が避難していた住民に配られたとみられていますが、実は災害時であれば、このように壊さなくても飲み物が取り出せる自動販売機があるんです。

きょうは災害時に役立つものを調べました。

最大震度7を観測した能登半島地震。

今も多くの住民が避難生活を強いられています。

扉が開けられ、中がむき出しになった自動販売機。

地震が発生した先月1日、避難所に設置されていた3台の自動販売機が壊されてしまいました。

飲み物は避難者に配られたとみられていますが、許可はとられていなかったといいます。

では、いざというときにはどうしたらよいのでしょうか。

札幌市内の飲料メーカーを訪ねました。

(宮永キャスター)「こちらが災害時に対応した自動販売機ですか?」

(北海道コカ・コーラ 松岡絵里香さん)「はい」

(宮永キャスター)「どういう機能があるのですか?」

(北海道コカ・コーラ 松岡絵里香さん)「自治体の要望があった際や避難所が開設された際に、フリーベンドといった形で無償で飲料をお届けすることができます」

「災害支援型自動販売機」といって、災害時には無料で飲み物を提供します。

見た目は普通の自動販売機ですが、離れた場所からパソコンで災害モードに切り替えることができます。

無料開放するかどうかは、自動販売機が設置されている自治体などの責任者が決めます。

(宮永キャスター)「お、つきましたね。これで災害時バージョンに?」

(北海道コカ・コーラ 松岡絵里香さん)「はい、切り替わっております」

(宮永キャスター)「押してもいいですか?」

(北海道コカ・コーラ 松岡絵里香さん)「はい」

(宮永キャスター)「水を押してみます。お、ほんとだ、お金を入れずにちゃんと出てきましたね」

災害モードになるとボタンのランプがすべて点灯し、災害情報を流すことができる電光掲示板には「無料提供中」と表示されます。

(北海道コカ・コーラ 松岡絵里香さん)「実際に被災された場合には、おそらくお金を手元に持っていない方も多くいると思うが、お金の心配もなく、飲料をご利用いただけます」

道内でも実際に活用されたケースがあります。

おととし12月、オホーツクで大雪による大規模停電が発生した際、湧別町に設置された3台の自動販売機で飲み物が無料提供されました。

大きさにもよりますが、自動販売機1台におよそ300本の飲み物が入っています。

無料提供は救援物資が届くまでのつなぎとしての役割があるんです。

(宮永キャスター)「善意の元だったと思うが、自販機を壊して取ってしまうという例もありましたけれども」

(北海道コカ・コーラ 松岡絵里香さん)「実際に壊されるとより多くの方に飲料を届けられなくなったり、破損でけがをする恐れがあります。必要になった際には今一度、各自治体や担当の方に問い合わせいただければと思います」

この災害支援型の自動販売機は、人が多く集まる役所や道の駅など道内に1600台ほど設置されているといいます。

(宮永キャスター)「清田区役所です。地域の防災拠点となっているこの場所にも、災害対応の自動販売機がありましたね。電光掲示板が付いています。いざというときにはこの飲み物が無料で提供されます」

区役所に入ってすぐの場所に設置されていました。

(宮永キャスター)「災害時に無料で提供される自動販売機なんですが、ご存じでしたか?」

(市民)「知らなかったです。知らないから通り過ぎちゃいますよね」

(市民)「地震も能登の方でも起きたので、こういうのがあるとありがたいなと思います」

災害支援型の自動販売機の見分け方ですが、取材したメーカーについては、災害情報などを流すことができる電光掲示板がついていれば災害対応しています。

そして、自動販売機本体に「災害用」という文字が表示されている場合もあります。

また、札幌市内だと道庁1階に設置されているほか、多くの区役所や区民センターなどに設置されています。

自動販売機以外にも、災害時に利用できるサービスがあるので取材してきました。

災害が発生したとき、情報を得るのに欠かせないのがスマートフォンです。

でも心配なのが「充電」ですよね。

そんなときに役立つものが!

(宮永キャスター)「非常時に欠かせないモバイルバッテリー。地下鉄の駅などにあるレンタルサービスですが、こちらも非常時には無料で利用することができるんです」

最近、地下鉄の駅やコンビニなどに設置されているモバイルバッテリーのレンタルサービスです。

1回330円で充電することができます。

(宮永キャスター)「非常時にはどういう形になるのですか?」

(JUREN 水口勇樹さん)「通電していない状態でも、バッテリーを後ろから作業することで取り出せて、モバイルバッテリーだけは利用できますよという状況ができます」

停電時にはロックが解除されたスタンドからモバイルバッテリーを取り出し、スマートフォンに充電できます。

こちらもスタンドを設置している施設の判断で「無料」で貸出できるようになっているんです。

現在道内80か所以上に設置されていて、今後は鉄道の沿線に拡大していく予定だといいます。

(宮永キャスター)「いざというときにそういう利用の仕方もあると覚えておくといいですね」

(JUREN 水口勇樹さん)「場所もここにあるよということを意識していただくのも大事かなと思うので、ぜひ使っていただけたら」

一方で、災害時には回線が混み合い、スマホで連絡が取れないこともあります。

そんな時に役立つのが、最近使う機会が減っている公衆電話です。

(宮永キャスター)「こちらの公衆電話ですね。これが非常時には何ができるのですか?」

(NTT東日本 今野秀利さん)「停電になっている時も、硬貨を入れる通常の発信と110番119番は無料で使うことができます。無料の時は受話器を上げて、お金を入れて通常の電話、自宅にかけた場合、電話が終わって受話器を戻しますとお金やテレホンカードが戻ってくるような形になります」

停電のときはディスプレイが消えていることもありますが、硬貨を使った通話はできるようになっています。

公衆電話は市街地で1キロ四方に、郊外は2キロ四方を目安に設置されています。

通勤通学などで身近な電話ボックスを確認しておくと安心です。

また、学校や公共施設などには災害時のみ利用できる特設公衆電話が用意されています。

黄色い旗が目印で、これも無料で使える公衆電話になります。

(宮永キャスター)「非常時・災害時に電話の役割はどういうもの?」

(NTT東日本 今野秀利さん)「公衆電話であれば無料で話ができる場合がありますし、緊急通報もできる。つながりにくい場合でも規制を受けないという特徴がありますので、非常時には有効だなと」

普段何気なく利用しているものも、災害支援として活用できるように企業が工夫しています。

もしものときには助けてもらえるように、普段から少し気にかけておくことが大切です。
「どさんこワイド179」  6/26(水)15:06更新

北海道