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【直下型地震】どのように備える

シリーズでお伝えしている防災企画「いのちを守る」。

北海道・中川町で震度5強を観測した地震からあさってで1か月です。

直下型の強い揺れで被害を受けた住宅や道路などは復旧したのでしょうか。

先月11日午前0時53分。

中川町で最大震度5強を観測する強い地震が発生し、町では観測史上最も強い揺れとなりました。

取材を進めると、地震が残した爪痕が次々と明らかに—

室内に無残にも散乱する家具や食器。

地震直後に訪れた中川町の高橋勝也さんの自宅です。

(高橋勝也さん)「息子がひっくり返って下敷きになったところです。幸いたんこぶ程度ですみましたが」

それからおよそ1か月—

地震でたんすの下敷きになった二男の優真くん・11歳に話を聞くことができました。

(高橋優真くん)「地震が怖かった。びっくりした。背中とかお腹が痛くて、あと頭もちょっと痛くなった。だけど治ったからよかった」

これをきっかけに高橋さん一家は、家具を壁に固定したり扉や引き出しが飛び出ないようにしたりするなど、

地震への備えを進めていました。

(高橋勝也さん)「(強い地震は)来ないだろうという安易な考えだった。

全部払拭して金具補強したので、まだ足りないところもあるからこれからやっていく」

一方で依然として地震の影響が続いているところもありました。

地震の直後から路面の一部が崩れ、通行止めとなった中川町の道道。

再び訪れてみると—

(山﨑記者)「地震から1か月近くが経ちましたが、陥没被害のあった道道は現在も通行止めとなっています。

奥に見える現場では復旧工事が進められている状況です」

道路を管理する旭川建設管理部によりますと、いまのところ復旧するメドは立っていないということです。

また町が運営するプールでは—

(中川町教育委員会 松井健室長)「こちらに換気扇が入っていたんですが、地震の振動で下の方に落下して、

危険なのでこちらの方に置いている」

ほかにも壁が剥がれ落ちたり排水管が破損したりするなどして、このプールは地震の当日以降、

今シーズンの営業を中止せざるを得なくなりました。

(中川町教育委員会 松井健室長)「我々もまさかこれほど強い地震がくるという認識はなかった。

住民と一緒にこれから安全な街づくりにむけて頑張っていきたい」

地震の専門家は、事前の備えの重要性を強調します。

(北海道大学大学院 高橋浩晃教授)「揺れ対策としては『セーフティゾーン』といって、

家具が倒れても逃げられる空間が残るような家具の配置を考えるということもひとつ。事前に備えておくということに尽きる」

震源地となった町の多くの人が予想していなかった震度5強の強い地震。

自分ごととしてとらえ、いま一度対策が十分か見直すことが大切です。

(2022年9月9日放送)
「どさんこワイド179」  9/8(金)9:57更新