【北海道南西沖地震】日本海側は数分で津波到達
地震の直後に津波が到達するとされているのは奥尻島だけではありません。
北海道には日本海で一番高い津波がくるとされている自治体があります。
南西沖地震の教訓を生かすべく訓練を重ねている、日本海側の自治体を取材してきました。
日本海に面したマチ・道南のせたな町です。
「訓練、訓練、地震が発生しました」
緊急の校内放送と同時に走り出す子どもたち。
町内の小学校できのう、津波を想定した避難訓練が実施されました。
平地にある小学校から海抜30メートルの高台まで、500メートルほどの距離を全速力で駆け抜けます。
(瀬棚小学校 越前秀一校長)「ことしのタイムは6分35秒でした。来年の訓練はさらにタイムを短くできればと思います」
ここまで時間にこだわるわけとはー
これは日本海で津波が発生した場合のシミュレーション動画です。
陸にかなり近い場所で発生し、およそ8分後には沿岸に到達しています。
さらに、せたな町で26.9メートル、神恵内村で26.6メートルなど、日本海側の各地で20メートルを超える高い津波が予想されています。
(北本アナウンサー)「全国の日本海側の自治体で一番高い津波がくるといわれている、せたな町です。早いところでは地震からわずか数分で津波が到達すると予想されています」
(せたな町民)「10分では全然無理だと思う」
(せたな町民)「怖いな、鳥肌が立つ」
さらにこんな声もー
(せたな町民)「足腰悪くて病院通いばかり」
(北本アナウンサー)「走って逃げるというのは?」
(せたな町民)「絶対それはできません」
高齢化や地元の声をうけ、町は新たな対策を考えました。
(北本アナウンサー)「ここに茶色の小屋がありますね」
(せたな町役場総務課 原進課長)「これが避難場所ということで、いままでの避難場所までの中間地点ですね」
より多くの人が避難を前向きに考えられるように、従来より住宅地に近く津波到達の恐れのないところに避難場所を新たに設けました。
(近隣住民)「助かりますよね。ここの人も歳いっているから(従来の避難場所の)学校までは大変だろうから」
専門家もこの取り組みを評価します。
(北海道大学 高橋教授)「日本海側で起こる地震は沿岸のすぐ近くで起きる。そうするとまず地震の揺れが強くなる。そして津波が高いまま押し寄せてしまう。避難する場所が遠いという悩みはあると思う。地域の声をよく聞いて、できるだけ近くてなおかつ浸水しない場所を探して、できるだけ多くの人たちが避難できるような取り組みを進めることが大事」
(北本アナウンサー)「一方、こちらはせたな町のお隣・島牧村です。ここでも地震のあと津波がすぐ到達すると予想されています。海のすぐ横には小学校があって、こちらでも津波への備えが進められています」
海から道路をはさんですぐ。
海抜8メートルにある島牧小学校です。
津波が発生した場合、揺れからおよそ10分ほどで到達すると予測されています。
このため子どもたちは、いざというとき学校の裏山に急いで登る必要があります。
(北本アナウンサー)「津波警報が出た場合は裏山に避難する。かなりの傾斜角度がある。目標タイムは3分と設定されています。実際に私が登っていきます。何分かかるのでしょうか。やってみます。なかなか角度があります。大きな岩を避けて走る。到着しました。実際に登ったら2分30秒かかりました。お子さんたちはものすごい訓練をしているんですね。こんなに大変だとは思いませんでした」
さらに、学校には海沿いならではの特別な備えも。
(北本アナウンサー)「冬の期間、雪で山に登れない場合は、海抜20メートルほどある校舎の屋上に避難してきます。子どもたちは必ずこの救命胴衣を着用するということです」
未来を生きる世代を守るために。
地域の特徴を正しく理解し、できうる備えをすべてしておくことが、私たちの命をつなぐ鍵になります。
北海道には日本海で一番高い津波がくるとされている自治体があります。
南西沖地震の教訓を生かすべく訓練を重ねている、日本海側の自治体を取材してきました。
日本海に面したマチ・道南のせたな町です。
「訓練、訓練、地震が発生しました」
緊急の校内放送と同時に走り出す子どもたち。
町内の小学校できのう、津波を想定した避難訓練が実施されました。
平地にある小学校から海抜30メートルの高台まで、500メートルほどの距離を全速力で駆け抜けます。
(瀬棚小学校 越前秀一校長)「ことしのタイムは6分35秒でした。来年の訓練はさらにタイムを短くできればと思います」
ここまで時間にこだわるわけとはー
これは日本海で津波が発生した場合のシミュレーション動画です。
陸にかなり近い場所で発生し、およそ8分後には沿岸に到達しています。
さらに、せたな町で26.9メートル、神恵内村で26.6メートルなど、日本海側の各地で20メートルを超える高い津波が予想されています。
(北本アナウンサー)「全国の日本海側の自治体で一番高い津波がくるといわれている、せたな町です。早いところでは地震からわずか数分で津波が到達すると予想されています」
(せたな町民)「10分では全然無理だと思う」
(せたな町民)「怖いな、鳥肌が立つ」
さらにこんな声もー
(せたな町民)「足腰悪くて病院通いばかり」
(北本アナウンサー)「走って逃げるというのは?」
(せたな町民)「絶対それはできません」
高齢化や地元の声をうけ、町は新たな対策を考えました。
(北本アナウンサー)「ここに茶色の小屋がありますね」
(せたな町役場総務課 原進課長)「これが避難場所ということで、いままでの避難場所までの中間地点ですね」
より多くの人が避難を前向きに考えられるように、従来より住宅地に近く津波到達の恐れのないところに避難場所を新たに設けました。
(近隣住民)「助かりますよね。ここの人も歳いっているから(従来の避難場所の)学校までは大変だろうから」
専門家もこの取り組みを評価します。
(北海道大学 高橋教授)「日本海側で起こる地震は沿岸のすぐ近くで起きる。そうするとまず地震の揺れが強くなる。そして津波が高いまま押し寄せてしまう。避難する場所が遠いという悩みはあると思う。地域の声をよく聞いて、できるだけ近くてなおかつ浸水しない場所を探して、できるだけ多くの人たちが避難できるような取り組みを進めることが大事」
(北本アナウンサー)「一方、こちらはせたな町のお隣・島牧村です。ここでも地震のあと津波がすぐ到達すると予想されています。海のすぐ横には小学校があって、こちらでも津波への備えが進められています」
海から道路をはさんですぐ。
海抜8メートルにある島牧小学校です。
津波が発生した場合、揺れからおよそ10分ほどで到達すると予測されています。
このため子どもたちは、いざというとき学校の裏山に急いで登る必要があります。
(北本アナウンサー)「津波警報が出た場合は裏山に避難する。かなりの傾斜角度がある。目標タイムは3分と設定されています。実際に私が登っていきます。何分かかるのでしょうか。やってみます。なかなか角度があります。大きな岩を避けて走る。到着しました。実際に登ったら2分30秒かかりました。お子さんたちはものすごい訓練をしているんですね。こんなに大変だとは思いませんでした」
さらに、学校には海沿いならではの特別な備えも。
(北本アナウンサー)「冬の期間、雪で山に登れない場合は、海抜20メートルほどある校舎の屋上に避難してきます。子どもたちは必ずこの救命胴衣を着用するということです」
未来を生きる世代を守るために。
地域の特徴を正しく理解し、できうる備えをすべてしておくことが、私たちの命をつなぐ鍵になります。
「どさんこワイド179」
9/8(金)9:54更新