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「花粉症」の季節到来… 北海道で症状を引き起こす花粉は5種類 アレルギーの原因は“タンパク質”にあり

【動画】「花粉症」の季節到来… なぜ“花粉”はアレルギー症状を引き起こすのか?そのメカニズムをナゾトキ!

生活に潜む様々なナゾを解き明かす「ナゾトキ」です。

すでに症状が出ている人もいるのではないでしょうか。

2025年も「花粉症」の季節がやってきました。

花粉が飛散すると目のかゆみや鼻水など、なぜアレルギー症状を引き起こすのか。

まずはそのメカニズムから紐解きます。

【質問】「花粉症」の症状は出ていますか?

雪解けが進む札幌市。

春の訪れを感じるとともに気になるのがー

(愛知県から来た人)「鼻水が止まらなくなるので鼻で息ができなくなる感じ」

(埼玉県から来た人)「北海道は思ったより感じないかなと思って来たんですけど、意外と鼻水が出ています。鼻がむずむずしてサラサラの鼻水もたれていつも鼻をすすっちゃう感じですね」

(千葉県から来た人)「寒いから花粉はないのかなと思ったら全然あって、ホテルでもやばかったよね、くしゃみ」

すでに花粉症に悩む人の声が聞かれました。

はやくも花粉の季節到来… 飛散する時間帯の傾向は?

札幌にある道立衛生研究所です。

ここでは花粉を採取して飛散状況を調べています。

(宮永キャスター)「やはり屋上、随分景色も開けていますね」

(道立衛生研究所 平島洸基さん)「そうですね、開けた場所がやっぱり花粉の観測には一番向いていますので」

(宮永キャスター)「これがその機械ですか」

(道立衛生研究所 平島洸基さん)「こちらが花粉を観測する機械になります。こちらにワセリンを塗ったガラスのプレートがあるんですけれども、こちらに飛んできた花粉が付着するといった形になります」

道立衛生研究所では毎年3月から9月にかけて、屋上に設置した観測機器で花粉を採取しています。

円形の筒の部分には予備のプレートがあり、土日など職員が不在のときにも自動で交換できる仕組みになっています。

(宮永キャスター)「時間帯によって花粉が飛びやすいとかそういうものはないんですか?」

(道立衛生研究所 平島洸基さん)「やはり朝方の気温が上昇していくときにまず花粉が飛びやすいということと、あとは舞い上がった花粉が夕方にかけて下りてきますので、朝と夕方というのはそれなりに花粉が飛散しやすいと言われております」

肉眼では見えないほど小さい花粉… でも、症状を引き起こす原因は「花粉」ではない!?

実際に屋上で採取された花粉を見せてもらいました。

(宮永キャスター)「丸い形で色が青くついてるんですけれども、これが花粉ですか?」

(道立衛生研究所 平島洸基さん)「そうですね。青く染まっているのが花粉になります」

(宮永キャスター)「これは何の花粉ですか?」

(道立衛生研究所 平島洸基さん)「こちらはハンノキの花粉になります」

すでに飛散が始まっているハンノキの花粉です。

大きさは10マイクロメートル、つまり0.01ミリメートルで、肉眼では見ることができません。

ただ、この花粉自体が悪さをするわけではないといいます。

(宮永キャスター)「花粉の例えば形や大きさというものではないんですね」

(道立衛生研究所 平島洸基さん)「そうですね。形や大きさは花粉それぞれ違うんですけれども、形状というよりは、中に含まれているタンパク質によって花粉症が引き起こされます」

花粉が体に入ると免疫細胞が反応し、花粉の中のタンパク質に対応した抗体を作ります。

その抗体が再び花粉を検知すると、異物を体内から排出しようと、くしゃみや鼻水などを引き起こすのです。

つまり免疫の過剰反応と言えるんですね。

さらに厄介なことがー

(道立衛生研究所 平島洸基さん)「例えばシラカバの花粉とハンノキの花粉というのは花粉症の原因になるタンパク質の構造が似ているなどがございますので、シラカバ花粉症の人が、ハンノキ花粉でも花粉症の症状が出てしまうといったケースがございます」

(宮永キャスター)「そうするとシラカバで最初に花粉症になった人は、もう今時期からハンノキにまた反応して症状が出る恐れがあるということですか?」

(道立衛生研究所 平島洸基さん)「そういう場合がございます。やはり花粉症は一旦発症してしまうとなかなか完治することは難しいと言われていますので、年々患者さんの数というのは増えていく傾向にあります」

北海道内で花粉症を引き起こす植物は5種類 カレンダーで見てみると…

道立衛生研究所の平島さんによりますと、花粉症を引き起こすと報告されている植物は、道内では5種類ほどあります。

ハンノキ、シラカバ、イネ科、ヨモギ、道南の一部ではスギです。

それぞれ飛散時期はハンノキが3月、スギも3月末ごろからといいます。

そしてシラカバが4月下旬から5月、イネ科のものが6、7月。

そのあと8月下旬から10月ごろにかけてヨモギ。

こうして見ると、雪がない時期は何かしら花粉が飛んでいる状況です。

2025年のシラカバ花粉の飛散予測です。

4月下旬ごろから5月の大型連休にかけてピークを迎えそうです。

飛散量は2024年と比べると半減する予想ですが、そもそも2024年の飛散量はここ10年で2番目に多かったので、平年比では80から120%程度の飛散量になると予想されています。

完治は難しい「花粉症」の対策は? アレルギー専用飲み薬も手軽に購入可能

一旦発症してしまうと完治することは難しいと言われている花粉症。

どうすれば症状を防ぐことができるのか、最新の対策を取材しました。

(宮永キャスター)「ここが花粉対策のコーナーですね、いつ頃つくったんですか?」

(ツルハドラッグ澄川6条店 東将輝さん)「先週頃にこちらはつくらせていただきました」

こちらの店舗では3月中旬に花粉症の対策コーナーを設置しました。

マスクや目薬、点鼻薬といった定番商品に加え人気なのがー

(ツルハドラッグ澄川6条店 東将輝さん)「いまの時期の花粉対策のアレルギー専用薬として、上段に置いてある鼻炎薬があるのと、鼻水・風邪の症状とか鼻炎に対する薬となっております」

医療用の医薬品と同じ成分を配合したアレルギー専用の飲み薬です。

症状を和らげ、ドラッグストアで買える手軽さが売りだといいます。

根治を目指すクリニック “自由診療”でも治療を求める患者たち

ただ、こうした対処療法ではなく「根治」を目指すクリニックも。

医師の診察を受けるのは、札幌に住む小学校4年生の野口彰史くんです。

(野口彰史くん)「目とか鼻とかかゆくなって鼻水出たり咳出たりして。シラカバの花粉が出始める頃から4月から5月くらいまで」

彰史くんは2年ほど前からシラカバの花粉症に悩んでいるといいます。

その治療法は「免疫療法」です。

イメージとしては、花粉のアレルギーを起こす成分を薬として注射し、体を徐々に慣らしていきます。

(アルバアレルギークリニック札幌 続木康伸院長)「うちだとシラカバとイネ科の治療薬をアメリカから輸入してるのでやることができる。ただ日本でこの治療できるところはほとんどないので、予約はかなり混んでます」

花粉ではスギだけが保険適用のため自由診療になりますが、このクリニックではシラカバとイネ科の花粉に対応した治療が可能です。

(アルバアレルギークリニック札幌 続木康伸院長)「5年で根治を目指す。ただ大体どれぐらいで薬の効果、要するに花粉症の時期になっても症状が出ないような状態になるのは、早い人で3カ月、長い人で半年~1年ぐらいという感じ」

クリニックによりますと、自由診療の注射の費用は初回におよそ5万円、そのあとは月1回、5千円程度だということで、国外では一般的な治療法だということです。

花粉症の対策はマスクや眼鏡の着用、花粉が落ちやすい素材の服など基本を心がけた上で、市販薬の場合も病院を受診する場合も、本格的に飛散する前の段階から早めのケアを心がけた方がよさそうです。

03/29(土) 09:12

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