「凄惨な現場で恐怖も…」救急隊員が証言 クマに襲われハンター重傷 不安抱える住民も 北海道美唄市
北海道美唄市で4月3日、シカを駆除する目的で山に入った男性ハンターがクマに襲われ、重傷を負った事故で、救助に駆けつけた救急隊員が取材に応じ、当時の緊迫した状況を語りました。
(美唄市消防署 山﨑泰救急隊長)「頭と顔に大きな外傷を認めるような状態です。凄惨な現場だったので恐怖も感じましたし、隊員の心的外傷もケアしないといけないなと感じました」
3日に美唄市で発生した、76歳の男性ハンターがクマに襲われた事故で、救助に駆けつけた救急隊員がSTVの取材に応じ、当時の状況を振り返りました。
(美唄市消防署 山﨑泰救急隊長)「鋭利な刃物で切れた傷というよりは、強い力が加わって傷口も挫滅したような深い大きな傷が見受けられました」
(通報)「男性が何かに襲われたようで顔をけがした」
通報があったのは3日午後2時すぎです。
男性ハンターはシカを駆除する目的で1人で美唄市の山中に入り、市街地から離れた聖化溜池の近くでクマに襲われました。
その後、自力で近くの会社に駆け込み、助けを求めたということです。
(美唄市消防署 山﨑泰救急隊長)「こちらが頭になります。外傷がありましたので、担架があるんですが、首なども固定した状態で運んでいます。顔の右側が大きなけがだったので、きちんと話せる状態でなかった。口とかも(傷が)つながっているような状態」
(吉岡記者)「男性がクマに襲われた現場へと続く道は、今も通行止めになっています」
美唄市は現場に続く道路を封鎖したほか、注意を呼び掛ける看板を設置し、道は2025年で初のヒグマ注意報を発出しました。
(地元住民)「クマはおっかないなと思った。春、雪が少なくてこういうことも起きるんじゃないですか」
(地元住民)「クマに猟友会の人が襲われたというのは初めて。猟友会の人は毎日じゃないけど結構見る」
専門家はクマと突然出くわした場合、ハンターでも身を守ることの難しさを指摘します。
(酪農学園大学 佐藤喜和教授)「遠い距離から殺傷能力が高いのが狩猟用の銃なので、近い距離で素早く動いてくる相手に対して致命的な効果を与えるのは難しいかもしれない」
クマが冬眠から目覚めるこれからの季節。
山菜採りなどで山に入る場合は、より一層の注意が必要になります。
冬眠から目覚めた春グマでもっとも注意すべき点は、山菜採りでの遭遇だということです。
・鈴などで音を出して自分の存在を周囲に伝える
・1人より複数人で行動する
・山に入る際は、クマ撃退スプレーやヘルメットを所持して、安全対策を行った上で入山する
これらの対策を心がけることが大切です。