【命を守る】非常食の最新事情 日常のひと工夫が防災対策に? 「フェーズフリー」とは?
シリーズ「命を守る」。
東日本大震災から3月11日で14年。
災害時に命をつなぐために欠かせないのが食事です。
今は非常食も進化していますが、日ごろの備えや少しでもおいしく食べるコツを取材しました。
(宮永キャスター)「いま防災グッズも随分進化しているんですね。特に非常食については、さまざまなものが開発されています」
札幌市内の大型雑貨店を訪ねると、商品棚には非常食がずらり!
ラインナップは60種類以上にのぼります。
最近の非常食にはどんなものがあるのか、防災士の資格を持つ佐々木さんに教えてもらいました。
(宮永キャスター)「何か最近の特徴はありますか?」
(ハンズ札幌店 佐々木峰央さん)「最近アレルギーがある人が増えているということがあるので、五目ご飯でも普通のものとアレルギー対応のものがある。アレルギーに配慮されている食品が増えてきています」
(宮永キャスター)「それぞれに合った非常食が開発されているんですね」
さらに、こんなものまでありました。
(宮永キャスター)「こちらはパスタとか、ボロネーゼ、カルボナーラ…こういうのもあるんですね!」
(ハンズ札幌店 佐々木峰央さん)「こちらの方に関しては生麺が入っています。生麺が入っていて常温保存で5年間。かなり本格的なボロネーゼが楽しめます」
災害時においしいものが食べられたら少しほっとするのではないでしょうか。
では、どのくらい食料を備蓄しているのか、マチのみなさんに聞いてみました。
(札幌市民)「1週間分くらい常にストックしています。小さい子どもがいるので水は常に準備しています」
(岩見沢市民)「家族3人で住んでいるので1週間分はないかな…」
非常食は家族全員の1週間分を備蓄するのが安心だと言われていますが、非常時のためだけにそんなにたくさんの食料を自宅に保管するのは大変です。
そこでいま、ある考え方が普及しつつあります。
(北大 高橋浩晃教授)「災害はいつ起こるかわからないということが大きな特徴。普段の生活のなかに少しずつ、もし災害が起きても対応できるようなちょっとした工夫をしておこうというのがフェーズフリー」
「フェーズフリー」とは、日常と非常時を区別せず、普段使っているものを災害時に活用しようという取り組みです。
そのヒントがあのレストランにありました。
創業146年、函館の「五島軒」です。
伝統の本格カレーは市民だけでなく観光客にも親しまれています。
その老舗の味を自宅でも楽しめるのが、ずらりと並んだレトルトや缶詰の商品です。
北斗市にあるレトルト工場を特別に見せてもらいました。
伝統のレシピで煮込んだカレーを容器の中に注ぎ込み、巨大な装置で殺菌加工すれば完成です。
パッケージに印刷された賞味期限はおよそ2年後。
家庭での長期保存が可能です。
日常で楽しめる食品を非常時にも役立てる、それが「フェーズフリー」です。
では、レストランで提供されるカレーとレトルトの商品でどれくらい味の違いがあるのか、記者が食べ比べてみました。
(根本記者)「本当に驚くんですが、このレトルト版、レストランで提供されているものとほとんど変わりありません。これが災害時にもいただけるのであればうれしい」
(五島軒 若山豪社長)「(災害時は)心がすさむタイミングなので、そういうときに被災者を支えられるならありがたい」
五島軒では現在、函館市内の病院と協定を結び、より賞味期限を延ばしたカレーの開発にも取り組んでいるということです。
どの家庭にもある便利なレトルト食品や缶詰。
これらをさらにアレンジして、普段からおいしく食べるのも「フェーズフリー」のひとつです。
料理研究家の福迫和さんにレシピを伺いました。
(宮永キャスター)「普段家のなかにあるものを使ってということですね」
(福迫和さん)「きょうは簡単な2品を紹介します」
一品目はパックご飯と缶詰というシンプルな組み合わせで炊き込みご飯を作ります。
(福迫和さん)「パックご飯をフライパンか鍋に入れて水をたっぷり注ぎます」
(宮永キャスター)「電子レンジを使わずに熱湯で温めても良いんですね」
パックご飯は停電していても温め可能です。
15分ほど加熱したご飯にそのまま缶詰の焼き鳥を入れて混ぜるだけ。
普段の食事でもインゲンなどの緑をいれると、野菜もとれて彩り豊かな炊き込みご飯が完成します。
(宮永キャスター)「おいしい。ごはんにしっかり缶詰の焼き鳥のたれが沁みていて進みますね。いつものご飯としても食べられますね」
さらにもう一品。
今度は缶詰とネギを使ってご飯のおかずにもなるおつまみを作ります。
(福迫和さん)「アルミホイルを使って安全に確実に火を通す方法です」
アルミホイルを3枚重ね、容器の型をとります。
そこに缶詰の具材とネギを入れて5分ほど弱火にかけます。
ネギに火が通ってくったりとしてきたら完成です。
食欲をそそる、いいにおいが漂ってきます。
(宮永キャスター)「ネギが効いていますね。缶詰だけではなくちょっと工夫を加えるとお酒のおつまみにも使える。器を汚さないし普段でも普通に食べられる」
(福迫和さん)「普段からこういう使い方をしていると非常時の練習ができて、いざというときに使えるのでおすすめ」
日常の食事を災害時につなげる「フェーズフリー」。
普段使いの食品にひと手間加えるだけで、手軽においしく食べることができます。
(2025年3月11日放送)
東日本大震災から3月11日で14年。
災害時に命をつなぐために欠かせないのが食事です。
今は非常食も進化していますが、日ごろの備えや少しでもおいしく食べるコツを取材しました。
(宮永キャスター)「いま防災グッズも随分進化しているんですね。特に非常食については、さまざまなものが開発されています」
札幌市内の大型雑貨店を訪ねると、商品棚には非常食がずらり!
ラインナップは60種類以上にのぼります。
最近の非常食にはどんなものがあるのか、防災士の資格を持つ佐々木さんに教えてもらいました。
(宮永キャスター)「何か最近の特徴はありますか?」
(ハンズ札幌店 佐々木峰央さん)「最近アレルギーがある人が増えているということがあるので、五目ご飯でも普通のものとアレルギー対応のものがある。アレルギーに配慮されている食品が増えてきています」
(宮永キャスター)「それぞれに合った非常食が開発されているんですね」
さらに、こんなものまでありました。
(宮永キャスター)「こちらはパスタとか、ボロネーゼ、カルボナーラ…こういうのもあるんですね!」
(ハンズ札幌店 佐々木峰央さん)「こちらの方に関しては生麺が入っています。生麺が入っていて常温保存で5年間。かなり本格的なボロネーゼが楽しめます」
災害時においしいものが食べられたら少しほっとするのではないでしょうか。
では、どのくらい食料を備蓄しているのか、マチのみなさんに聞いてみました。
(札幌市民)「1週間分くらい常にストックしています。小さい子どもがいるので水は常に準備しています」
(岩見沢市民)「家族3人で住んでいるので1週間分はないかな…」
非常食は家族全員の1週間分を備蓄するのが安心だと言われていますが、非常時のためだけにそんなにたくさんの食料を自宅に保管するのは大変です。
そこでいま、ある考え方が普及しつつあります。
(北大 高橋浩晃教授)「災害はいつ起こるかわからないということが大きな特徴。普段の生活のなかに少しずつ、もし災害が起きても対応できるようなちょっとした工夫をしておこうというのがフェーズフリー」
「フェーズフリー」とは、日常と非常時を区別せず、普段使っているものを災害時に活用しようという取り組みです。
そのヒントがあのレストランにありました。
創業146年、函館の「五島軒」です。
伝統の本格カレーは市民だけでなく観光客にも親しまれています。
その老舗の味を自宅でも楽しめるのが、ずらりと並んだレトルトや缶詰の商品です。
北斗市にあるレトルト工場を特別に見せてもらいました。
伝統のレシピで煮込んだカレーを容器の中に注ぎ込み、巨大な装置で殺菌加工すれば完成です。
パッケージに印刷された賞味期限はおよそ2年後。
家庭での長期保存が可能です。
日常で楽しめる食品を非常時にも役立てる、それが「フェーズフリー」です。
では、レストランで提供されるカレーとレトルトの商品でどれくらい味の違いがあるのか、記者が食べ比べてみました。
(根本記者)「本当に驚くんですが、このレトルト版、レストランで提供されているものとほとんど変わりありません。これが災害時にもいただけるのであればうれしい」
(五島軒 若山豪社長)「(災害時は)心がすさむタイミングなので、そういうときに被災者を支えられるならありがたい」
五島軒では現在、函館市内の病院と協定を結び、より賞味期限を延ばしたカレーの開発にも取り組んでいるということです。
どの家庭にもある便利なレトルト食品や缶詰。
これらをさらにアレンジして、普段からおいしく食べるのも「フェーズフリー」のひとつです。
料理研究家の福迫和さんにレシピを伺いました。
(宮永キャスター)「普段家のなかにあるものを使ってということですね」
(福迫和さん)「きょうは簡単な2品を紹介します」
一品目はパックご飯と缶詰というシンプルな組み合わせで炊き込みご飯を作ります。
(福迫和さん)「パックご飯をフライパンか鍋に入れて水をたっぷり注ぎます」
(宮永キャスター)「電子レンジを使わずに熱湯で温めても良いんですね」
パックご飯は停電していても温め可能です。
15分ほど加熱したご飯にそのまま缶詰の焼き鳥を入れて混ぜるだけ。
普段の食事でもインゲンなどの緑をいれると、野菜もとれて彩り豊かな炊き込みご飯が完成します。
(宮永キャスター)「おいしい。ごはんにしっかり缶詰の焼き鳥のたれが沁みていて進みますね。いつものご飯としても食べられますね」
さらにもう一品。
今度は缶詰とネギを使ってご飯のおかずにもなるおつまみを作ります。
(福迫和さん)「アルミホイルを使って安全に確実に火を通す方法です」
アルミホイルを3枚重ね、容器の型をとります。
そこに缶詰の具材とネギを入れて5分ほど弱火にかけます。
ネギに火が通ってくったりとしてきたら完成です。
食欲をそそる、いいにおいが漂ってきます。
(宮永キャスター)「ネギが効いていますね。缶詰だけではなくちょっと工夫を加えるとお酒のおつまみにも使える。器を汚さないし普段でも普通に食べられる」
(福迫和さん)「普段からこういう使い方をしていると非常時の練習ができて、いざというときに使えるのでおすすめ」
日常の食事を災害時につなげる「フェーズフリー」。
普段使いの食品にひと手間加えるだけで、手軽においしく食べることができます。
(2025年3月11日放送)
「STVニュース」
3/12(水)16:47更新