地震・津波情報をどう発信? 「気象台」のナゾ
きょうのテーマは、「気象台」のナゾです。
大雨の際に出される注意報や警報・緊急地震速報をなどを出す、防災の情報を発信するのが気象台です。
一体どんなことをしているのか、札幌管区気象台に潜入してみました!
(宮永キャスター)「災害時にさまざまな情報を提供する札幌管区気象台ですが、どのような仕組みで発信しているんでしょうか。今回はそのナゾに迫ります」
気象台の門を入ってすぐ。目に飛び込んできたのはナゾの機械です。
『機械の正体は?』
これらの機械が何に使われているのか、気象防災部観測課の鈴木さんに伺いました。
(宮永キャスター)「こちらにたくさんのナゾの計器が並んでおりますけど……案内していただけますか?」
(札幌管区気象台気象防災部観測課 鈴木朋弘さん)「ここは観測路上という場所でですね。皆様がよく耳にする気温湿度だとか、雨の量だとか、雪の量だとかっていうのを測っている場所です」
許可をいただき中に入れてもらうと…。
(鈴木朋弘さん)「皆さんが一番あれなのは雨の量ですよね。雨量。これから台風の方も近づいている状況ですけど、あの先にある小さな筒状のもの。あれで雨の量を測っています」
(宮永キャスター)「あれで雨の量を測っているんですか」
直径20センチの筒の中には「転倒ます」というシーソーのようなものが入っていて、雨が0.5ミリ溜まるたびに傾き雨の量を測っています。
『どう防災に役立てる?』
(宮永アナウンサー)「まさにここが北海道の気象情報の心臓部とも言えるところですよね。こういったデータというのは、気象台では防災という観点ではどのように生かされているんですか」
(鈴木朋弘さん)「ここで観測したデータは予報を出す予報官だとかそのあたりの人が見て、随時そのデータを解析して必要であれば警報とか注意報に役立てていますし、気象庁のホームページでも出ていますので、地方自治体の方も利用していると思います」
★スタジオ)
紹介した雨量計のほかにも、気象台には気温や湿度を測る機械や積雪量を測る機械もあります。
常に天気を観測することによって、災害が起きそうな時にもいち早く注意報や警報を出すことができるんです。
しかし、気象台が担っているのは天気の情報だけではありません。
大きな地震が起こったとき、記者会見をするのは気象台ですよね?緊急地震速報を出しているのも、気象台です。
そこで、続いてのナゾが…。
『地震が発生したときは』
地震が発生したとき、気象台では何が起きているのでしょうか。
(宮永キャスター)「テレビモニターが並んでいますね」
(札幌管区気象台気象防災部地震火山課 吉川章文課長)「そうですね。こちらが今、地震の方の現業室になっています」
大きなモニターがずらりと並んだこの部屋。奥では、火山の観測、手前では、地震に関する調査をしています。
『地震はなぜ起こる?』
(吉川章文課長)「これは昨年1年間の北海道周辺の地震です。昨年1年間で1万5548回。もちろん体に感じない地震がほとんどなんですけど」
北海道ではなんと、1年で1万5000回以上、1日におよそ43回も、地震が起きていたんです!
(宮永キャスター)「そもそも地震はなぜ起こるのか、解説していただけますか」
(吉川章文課長)「一般に地震は地下の岩盤(プレート)のずれということになります」
4つのプレートに囲まれている日本列島。このプレートのうち、「太平洋プレート」は日本に向かって1年におよそ8センチ、動いています。
この太平洋プレートが動くとき、上にある陸のプレートが引っ張られ、その力が限界になったとき、陸のプレートが元の形に戻ろうとするため跳ね上がり、発生するのが「プレート境界の地震」です。
2011年に起こった東日本大震災はこのプレート境界での地震でした。
プレート境界の地震は津波が起こりやすいことが特徴で、このときも大きな津波が起こり、町を飲み込みました。
一方、プレート内部の地震もあります。
プレートが動くときに陸のプレートや太平洋プレートの中に力が加わり、その力を開放する際に起こる地震です。
4年前の胆振東部地震や今年発生した中川町の地震はこのプレート内部での地震。
震源が浅い場合、直下型の地震となることがあり、揺れによる大きな被害が起こります。
『気象台では何が起きている』
(宮永キャスター)「実際に北海道で地震が起きました、となったとき、どのように情報をやり取りしているんですか」
(吉川章文課長)「地震が起きますと、今はすべて東京。バックアップとして大阪が作業を行いますけど、そこですべて地震の処理を行います。札幌はこの画面を通じて、あるいは情報を通じて、少し大きな地震、あるいは北海道周辺の地震となりますと、即時情報は出しませんけど、例えば記者会見で使う資料や自治体に送る資料を作って還元していくということになります」
『震源はどう決まる?』
(宮永キャスター)「地震情報の中で、震源がどの辺です、マグニチュードがどのくらいです、という情報を伝えているんですけど、それはどうやって決まるんですか?」
(吉川章文課長)「こちらの図を見ていただきたいんですけど、各地震計の観測点がありまして、これが地震を検知した順になっています。早い順になっています。地震波はですね、P波、最初に来る波と主揺動のS波、があります。そのPとSの時間差を計算して、このように同心円を各観測点で描きます。その同心円で一番制度のいいところ、交わりのいいところを震源としています」
震源やマグニチュードは揺れがあってからおよそ2分以内には決定し、発信されるそうです。
実は、この吉川課長。4年前の胆振東部地震が発生したとき東京にいたといいます。
(札幌管区気象台気象防災部地震火山課 吉川章文課長)「この画面にある通り、東京には真ん中に全国班長という席がありまして、私はちょうどその席におりました。実は北海道内、震度がすべて入電できない状態でした。この地震は震度7だったんですが、最初の入電ではこの震度7は入電しなかったんです。揺れによって、回線といいますか、衛星のアンテナが傾いたということで、受信できない状況だったんですね、だから最初最大は震度6ということで。私の判断で。で、翌日すぐに調査に行きまして震度7が確定されるということになりました」
★スタジオ)
震源はこういう風に決まっていたんですね。
地震があったとき様々な情報がありますが、その情報をどのように受け取ったらよいのか。
まず、緊急地震速報が出たときには、すぐに避難してください。
沿岸の人などはすぐに川や海から離れましょう。
緊急地震速報は出ていないけれど、揺れが大きい時には、次の揺れに備えましょう。
(2022年9月5日放送)
大雨の際に出される注意報や警報・緊急地震速報をなどを出す、防災の情報を発信するのが気象台です。
一体どんなことをしているのか、札幌管区気象台に潜入してみました!
(宮永キャスター)「災害時にさまざまな情報を提供する札幌管区気象台ですが、どのような仕組みで発信しているんでしょうか。今回はそのナゾに迫ります」
気象台の門を入ってすぐ。目に飛び込んできたのはナゾの機械です。
『機械の正体は?』
これらの機械が何に使われているのか、気象防災部観測課の鈴木さんに伺いました。
(宮永キャスター)「こちらにたくさんのナゾの計器が並んでおりますけど……案内していただけますか?」
(札幌管区気象台気象防災部観測課 鈴木朋弘さん)「ここは観測路上という場所でですね。皆様がよく耳にする気温湿度だとか、雨の量だとか、雪の量だとかっていうのを測っている場所です」
許可をいただき中に入れてもらうと…。
(鈴木朋弘さん)「皆さんが一番あれなのは雨の量ですよね。雨量。これから台風の方も近づいている状況ですけど、あの先にある小さな筒状のもの。あれで雨の量を測っています」
(宮永キャスター)「あれで雨の量を測っているんですか」
直径20センチの筒の中には「転倒ます」というシーソーのようなものが入っていて、雨が0.5ミリ溜まるたびに傾き雨の量を測っています。
『どう防災に役立てる?』
(宮永アナウンサー)「まさにここが北海道の気象情報の心臓部とも言えるところですよね。こういったデータというのは、気象台では防災という観点ではどのように生かされているんですか」
(鈴木朋弘さん)「ここで観測したデータは予報を出す予報官だとかそのあたりの人が見て、随時そのデータを解析して必要であれば警報とか注意報に役立てていますし、気象庁のホームページでも出ていますので、地方自治体の方も利用していると思います」
★スタジオ)
紹介した雨量計のほかにも、気象台には気温や湿度を測る機械や積雪量を測る機械もあります。
常に天気を観測することによって、災害が起きそうな時にもいち早く注意報や警報を出すことができるんです。
しかし、気象台が担っているのは天気の情報だけではありません。
大きな地震が起こったとき、記者会見をするのは気象台ですよね?緊急地震速報を出しているのも、気象台です。
そこで、続いてのナゾが…。
『地震が発生したときは』
地震が発生したとき、気象台では何が起きているのでしょうか。
(宮永キャスター)「テレビモニターが並んでいますね」
(札幌管区気象台気象防災部地震火山課 吉川章文課長)「そうですね。こちらが今、地震の方の現業室になっています」
大きなモニターがずらりと並んだこの部屋。奥では、火山の観測、手前では、地震に関する調査をしています。
『地震はなぜ起こる?』
(吉川章文課長)「これは昨年1年間の北海道周辺の地震です。昨年1年間で1万5548回。もちろん体に感じない地震がほとんどなんですけど」
北海道ではなんと、1年で1万5000回以上、1日におよそ43回も、地震が起きていたんです!
(宮永キャスター)「そもそも地震はなぜ起こるのか、解説していただけますか」
(吉川章文課長)「一般に地震は地下の岩盤(プレート)のずれということになります」
4つのプレートに囲まれている日本列島。このプレートのうち、「太平洋プレート」は日本に向かって1年におよそ8センチ、動いています。
この太平洋プレートが動くとき、上にある陸のプレートが引っ張られ、その力が限界になったとき、陸のプレートが元の形に戻ろうとするため跳ね上がり、発生するのが「プレート境界の地震」です。
2011年に起こった東日本大震災はこのプレート境界での地震でした。
プレート境界の地震は津波が起こりやすいことが特徴で、このときも大きな津波が起こり、町を飲み込みました。
一方、プレート内部の地震もあります。
プレートが動くときに陸のプレートや太平洋プレートの中に力が加わり、その力を開放する際に起こる地震です。
4年前の胆振東部地震や今年発生した中川町の地震はこのプレート内部での地震。
震源が浅い場合、直下型の地震となることがあり、揺れによる大きな被害が起こります。
『気象台では何が起きている』
(宮永キャスター)「実際に北海道で地震が起きました、となったとき、どのように情報をやり取りしているんですか」
(吉川章文課長)「地震が起きますと、今はすべて東京。バックアップとして大阪が作業を行いますけど、そこですべて地震の処理を行います。札幌はこの画面を通じて、あるいは情報を通じて、少し大きな地震、あるいは北海道周辺の地震となりますと、即時情報は出しませんけど、例えば記者会見で使う資料や自治体に送る資料を作って還元していくということになります」
『震源はどう決まる?』
(宮永キャスター)「地震情報の中で、震源がどの辺です、マグニチュードがどのくらいです、という情報を伝えているんですけど、それはどうやって決まるんですか?」
(吉川章文課長)「こちらの図を見ていただきたいんですけど、各地震計の観測点がありまして、これが地震を検知した順になっています。早い順になっています。地震波はですね、P波、最初に来る波と主揺動のS波、があります。そのPとSの時間差を計算して、このように同心円を各観測点で描きます。その同心円で一番制度のいいところ、交わりのいいところを震源としています」
震源やマグニチュードは揺れがあってからおよそ2分以内には決定し、発信されるそうです。
実は、この吉川課長。4年前の胆振東部地震が発生したとき東京にいたといいます。
(札幌管区気象台気象防災部地震火山課 吉川章文課長)「この画面にある通り、東京には真ん中に全国班長という席がありまして、私はちょうどその席におりました。実は北海道内、震度がすべて入電できない状態でした。この地震は震度7だったんですが、最初の入電ではこの震度7は入電しなかったんです。揺れによって、回線といいますか、衛星のアンテナが傾いたということで、受信できない状況だったんですね、だから最初最大は震度6ということで。私の判断で。で、翌日すぐに調査に行きまして震度7が確定されるということになりました」
★スタジオ)
震源はこういう風に決まっていたんですね。
地震があったとき様々な情報がありますが、その情報をどのように受け取ったらよいのか。
まず、緊急地震速報が出たときには、すぐに避難してください。
沿岸の人などはすぐに川や海から離れましょう。
緊急地震速報は出ていないけれど、揺れが大きい時には、次の揺れに備えましょう。
(2022年9月5日放送)
「どさんこワイド179」
9/8(金)11:33更新