イベント

人間国宝 歌舞伎俳優 坂東玉三郎 〜お話と素踊り〜

イベント情報

開催日

2025年3月2日(日)

開催場所
カナモトホール(札幌市民ホール)
所在地
札幌市中央区北1条西1丁目 アクセス
お問い合わせ先
STV事業 TEL:011-272-8659(土日祝除く10:00〜17:00)

人間国宝 歌舞伎俳優 坂東玉三郎 〜お話と素踊り〜


人間国宝 歌舞伎俳優
坂東玉三郎 〜お話と素踊り〜

日本芸術界の至宝
究極の美を宿す魂と身体
磨き上げられた芸と、その素顔に迫る特別企画
源氏物語「葵の上」を舞う

CM動画

開催概要

日時

2025年3月2日(日)
開場13:30 / 開演14:00 / 終演15:30(予定)

会場

カナモトホール(札幌市民ホール)
札幌市中央区北1条西1丁目

出演

坂東 玉三郎[お話・素踊り]

プログラム

(1)坂東玉三郎 お話コーナー
(2)地唄舞 「葵の上」

内容

人間国宝の歌舞伎俳優、坂東玉三郎が立女形の神髄や歌舞伎の魅力、そして裏話やプライベートを語りつくすと共に、素踊りでは衣装や化粧をつけず、その身体一つで美を表現します。貴重なお話とともに、この世のものとは思えない玉三郎の美しい舞を観られるまたとない機会。洗練された言葉と磨き上げられた芸を心からご堪能ください。

プロフィール

坂東玉三郎
■坂東玉三郎 大和屋(五代目) (お話・素踊り)
1957年12月東横ホール『寺子屋』の小太郎で坂東喜の字を名のり初舞台。1964年6月十四代目守田勘弥の養子となり、歌舞伎座『心中刃は氷の朔日』のおたまほかで五代目坂東玉三郎を襲名。泉鏡花の唯美的な世界の舞台化にも意欲的で、代表作の『天守物語』をはじめ数々の優れた舞台を創りあげてきた。また歌舞伎の枠を超えて、世界の芸術家まで大きな影響を与え、賞賛を得てきた。若くしてニューヨークのメトロポリタン歌劇場に招聘されて『鷺娘』を踊って絶賛されたのをはじめ、アンジェイ・ワイダやダニエル・シュミット、ヨーヨー・マなど世界の超一流の芸術家たちと多彩なコラボレーションを展開し、国際的に活躍。映画監督としても独自の映像美を創造。2012年9月に、歌舞伎女方として5人目となる重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定、また2013年にはフランス芸術文化章最高章「コマンドゥール」を受章した。

チケット情報

チケット料金

SS席/10,000円 S席/9,000円 A席/6,800円

※税込金額 ※全席指定
※未就学児はご入場いただけません。
※車椅子席をご希望のお客様は一般発売日(12月4日)以降、「道新プレイガイド窓口/TEL:0570-00-3871」「札幌市民交流プラザチケットセンター」へお問い合わせください。
 

チケット販売

先行販売
2024年11月5日(火)10:00〜11月17日(日)23:59  
※詳しくは各プレイガイドHPをご確認ください。
 
・チケットぴあ(Pコード:529-667)
・道新プレイガイド
  (札幌市中央区南1条西1丁目8-2 高桑ビル MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店 地下1階
   TEL:0570-00-3871 10:00〜19:00 火曜休)
   ※店頭、Web、電話にて購入いただけます。

・札幌市民交流プラザチケットセンター

  (札幌市中央区北1条西1丁目 札幌市民交流プラザ2階 10:00〜19:00 休館日を除く)
 
一般販売
2024年12月4日(水)10:00〜 発売開始

・チケットぴあ(Pコード:529-667)
   ※Web、セブン-イレブン店頭マルチコピー機にて購入いただけます。
 
・道新プレイガイド
  (札幌市中央区南1条西1丁目8-2 高桑ビル MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店 地下1階
   TEL:0570-00-3871 10:00〜19:00 火曜休)
   https://doshin-playguide.jp/
   ※店頭、Web、電話にて購入いただけます。
 
・札幌市民交流プラザチケットセンター
  (札幌市中央区北1条西1丁目 札幌市民交流プラザ2階 10:00〜19:00 休館日を除く)

・セイコーマート(セコマコード:D25030201)※販売期間は12/4〜2/23まで
   ※店内マルチコピー機にて購入いただけます。
 
・ローソンチケット(Lコード:11696)
   ※Web、ローソン店頭端末[Loppi]にて購入いただけます。
 
※チケット販売場所は休業になる場合がございます。各HPにてご確認ください。

坂東玉三郎 源氏物語「葵の上」を舞う

時空を越える、豊潤な時間
 
 二〇二一年の夏に始まった「お話と素踊り」の公演。劇場にまだコロナ禍の影響が残る時期に満員の観客で埋まった客席は、夏の暑さとは違う熱があった。
「今の時代、携帯電話やパソコンの画面越しにリモートで話すことができますが、やはり、直接会って対話をする、舞台と客席とはいえ触れ合うことができる、そのことを皆さんが待っていてくださったんだと改めて感じました。それは自分にとっても非常な喜びでした」という言葉通り、玉三郎さんは歌舞伎座や南座、大阪松竹座などで歌舞伎公演を勤めるなか、全国各地のお客様に会いに行き、この公演を続けてきた。そして四年目を迎える今回は、素踊りの演目がこれまでと変わり、地唄舞の『葵の上』となる。
 
 平安時代に紫式部によって書かれた「源氏物語」全五十四帖のうち、「葵」の巻を題材にして作られた能『葵上』。それをもとに、詞章もほぼ踏襲して作られたのが地唄舞の『葵の上』である。能の幽玄さはそのままに、六条御息所という高貴な女性の激しい嫉妬、苦衷が描かれた「怨霊物」の代表的な曲。題名は『葵の上』だが、舞台にはその小袖が置かれるのみで、登場するのは六条御息所ただ一人。「そのずらし方の不思議さにも、日本独特の儚さを感じます」と玉三郎さん。
 
 次から次へと女性遍歴を重ねる光源氏は、前の東宮の未亡人で娘もある六条御息所の美しさ、品格や知性に惹かれ、二人は恋仲に。しかし、次第にその愛が若い女性たちへと移っていくなかで、御息所にとって屈辱的な出来事が起こる。加茂の祭礼の日、源氏の姿をひと目見ようと見物に出た先で、正妻である葵の上の従者たちにより牛車を打ち壊されてしまったのだ。以来、御息所の煩悶はますます深くなり、その怨念はついに生霊となって、葵の上の枕辺に。
 舞台は、ほの暗い葵の上の寝所。
 
 〽実に世にありし古えは 雲上の花の宴」という六条御息所が宮廷で華やかに咲いていた頃の述懐で始まり、やがて
 〽衰ろへぬれば朝顔の 日蔭待つ間の有様に」と、若い恋人への愛執と我が身の衰えを嘆く。
 〽もつれもつれてな 逢ふ夜はほんに」から地唄らしい艶のある詞章となり、能がかりから一転、恋に惑う女心の悲哀を舞う。
 〽この上はとて立ち寄りて」からは、自らの嫉妬を抑えきれずに生霊となり、葵の上に襲いかかる凄惨な姿に。そして最後は
 〽松吹く風」とともに消え去ってゆく。

 
 玉三郎さんはたびたび『葵の上』を上演している。一瞬にも何時間にも感じられるような陶酔に誘われる、十五分間。「短ければ短いほど、幕が開いた時にどういう時空を背負っているかということが大事だと思うのです」と話す。その凝縮された時間のなか、六条御息所の哀しくも凄艶な女心が劇場に浸透していき、葵の上の寝所が宇宙のように広がっていく感覚。抑制された動きによって、名曲のなかに女の情念が浮かび上がってくる。玉三郎さんの踊りには、その人物がこれまで辿ってきた人生、葛藤まで感じさせる引力がある。と同時に、坂東玉三郎という稀代の女形の魂に触れるような感動もある。夢と現(うつつ)の挟間にあるひと時。玉三郎さんは、二〇一三年二月にはパリのシャトレ劇場でも『葵の上』を披露しており、公演後には文化・芸術への貢献を評価され、フランス政府から芸術文化勲章コマンドゥールが贈られた。

 「源氏物語」のなかで六条御息所は「演劇になりやすい」と分析する玉三郎さんは、二〇二四年の十月には、歌舞伎座で新作『源氏物語 六条御息所の巻』を上演し、監修も勤めた。玉三郎さんの六条御息所と、若手で今輝きを増している市川染五郎さんの光源氏。几帳を幾重にも重ねた雅やかな舞台のなか、桜の下で二人が連れ舞う姿はまさに平安王朝の絵巻物の世界に没入したような美しさだった。しかし、その途中で「舞が始まれば、必ず終わる」と御息所は嘆き悲しむ。待ち焦がれた人に会えた幸せ、わずかな希望よりも嫉妬心が勝って抗えない。誇り高く賢い女性が自分の理性を保てないほどの痛切さ。光源氏への訴えは、自分自身への訴えのようでもあり、その葛藤を越えた末に生霊となる様は、激しくも静謐な凄みがあった。

 今回は、六条御息所を素踊りの地唄舞で見せる。「扮装をしていないからこそ、想像していく楽しさが増していくのではないでしょうか。地唄というのは、音の余韻のなかに詞が入っていく。その余韻のなかで、いろいろな空間を想像できることが、地唄舞の魅力だと思います」と玉三郎さんは語っている。
 稀代の女形のプライベートが垣間見える楽しい「お話」から、その真髄を堪能できる「踊り」まで。時空を飛び越えて、豊潤な時間をお楽しみください。
 
文=大木夏子(編集者・ライター)

主催

STV札幌テレビ放送、テンポプリモ、サンライズプロモーション東京

制作

ドゥ デザイン

特別協力

STVラジオ

後援

札幌市、札幌市教育委員会

お問い合わせ

STV事業 TEL:011-272-8659(土日祝除く10:00〜17:00)
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