LIVE HOUSE タムラジオ

第59回“DoYou名言集”

2020年4月17日(金)

「不完全でもそれが人間らしさだ。そういう不完全さが音楽には必要だと思う」byリック・ホール

今回はソウルミュージックのプロデューサー
“リック・ホール”さんの言葉をご紹介します。
リック・ホールさんはフェイム・スタジオという
アメリカにあるレコーディングスタジオのエンジニアプロデューサーです。
196070年代が1番多いと思うんですけど、
たくさんの素晴らしい作品を世に送り出しました。
サザン・ソウルと呼ばれるようなジャンルのレコードが多いのかな。
パーシースレッジ「男が女を愛する時」
ジェイムス&ボビーピューリファイ「アイム・ユア・パペット」
アーサー・コンレイ「スウィート・ソウル・ミュージック」
といったソウルの名曲を録音しています。
他にもアレサ・フランクリンとかウィルソン・ピケットとか、
黒人ミュージシャン以外にもローラ・ニーロとか
素晴らしいミュージシャンの素晴らしいレコードをたくさん作った「フェイム・スタジオ」。
そこの主がリック・ホールさん。

今日の言葉「不完全でもそれが人間らしさだ。そういう不完全さが音楽には必要だと思う」は
リック・ホールさんが主人公の映画
「黄金のメロディー〜マッスル・ショールズ〜」の中で出てきた言葉です。

(この後、映画のネタバレあり)

この映画はドキュメンタリー映画なんですけど、
この言葉がなぜ印象に残ったのかというと映画を見ていくとわかってくるんですけど、
リック・ホールさんはとっても頑固で完璧主義者な人なんですよ。
自分の理想に妥協しない人。
ヒット曲を作り続けなかったらスタジオはやっていけない、なくなっちゃう。
だからこそ納得のいくまでこだわって音楽を作り続けたそんな頑固な人が
素晴らしい音楽を作るための答えとして映画の最後に出てきたのが
「不完全さが音楽には必要だと思う」っていうのが
すごい大どんでん返し感があってとってもグッときたんです。

リック・ホールさんはこんなふうに言います。
「プレイヤーを数人集めて何かを弾かせた時、不完全でもそれが人間らしさだ。
ドラマーがイスから落ちようと私は気にしない。
リズムを乱さなきゃね。
イスに這い上がればいいそとなるはずだ。
人間らしさは力になる。
そういう不完全さが音楽には必要だと思う。
今は特にね。それが名曲を作る法なのさ」

僕は思うんですけど、これはだからと言って
決して不完全さを自覚してちょっと下手に演奏しようゼ
と言ってる訳ではなくて、マインドが、気持ちが
大事なんだって言ってるんだと思うんです。
うまく演奏出来なかったらうまく演奏しようとする、練習して頑張る。
で、だんだんうまくなります。
更にそれを何人かで演奏しようとしたら最初は歪でなんか下手です。
だけど、だんだんと調和してくるのはお互いがお互いを感じながら
演奏するからですよね。そうやって頑張る。
その時の完全を目指して頑張る。
その時の完全を目指して気持ちを合わせようとする気がします。
だから演奏する人の気持ちをゆり動かす、
奮い立たせるための不完全さ、つまり人間らしさは素晴らしい音楽を作るための
きっかけになるんだってそんなことなんじゃないのかなって思いました。

最近、いつも以上に音楽を聞くんですけど、
やっぱり6070年代のソウルミュージックはすごく愛しくていいなと思います。

 

最近聞いて、すごくよかった曲です。
M「Can We Pretend」(Bill Withers

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