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商戦異常あり!?今年は“激戦区”北海道!売れ行き5倍 最新エアコン事情を長岡如龍記者が追う

暑い夏を乗り切るため、北海道内でもエアコンを設置する家庭が増えています。

一方で、エアコンがない家庭はどう暑さをしのげばいいのでしょうか?

それぞれのエアコン事情を取材しました。

石狩市内の住宅です。

運ばれてきたのは、新品のエアコン。

さっそく取り付け作業が始まりました。

4年前に家を建てたばかりの木村健太さん。

この夏、エアコンの設置を決断しました。

(木村健太さん)「ここを買うときにクーラーをつける予定はなかったので。休みの日であればちょっとスーパーとか行って、涼みがてら避難っていう形では行っていました」

エアコンの設置業者の目黒凌太さん。

猛暑が続く夏場は目も回る忙しさ。

作業も汗だくです。

(ブライトン 目黒凌太さん)「涼しいところで仕事するっていうのはまずないので、ツラいですね」

設置作業はひと月およそ200件。

8月末までびっしり埋まっています。

作業が始まってから2時間。

いよいよ待望の瞬間が…

(木村健太さん)「最高ですね。いいですね~。ここまで変わると思わなかったですね」

(記者)「ことしの夏は?」

(木村健太さん)「快適に過ごせると思います。外に出ないです、これは」

5人家族の木村家、この夏は自宅で快適に過ごせそうです。

いまや北海道の夏にも必須!!エアコン売れ行き5倍に!

2024年も厳しい暑さが続く北海道。

札幌の家電量販店では、エアコンの販売がピークを迎えています。

(ヨドバシカメラ 伊藤晴さん)「ことしは去年の暑さの状況もあり、1月からずーっと売れ行きとしては伸ばしておりまして、(去年の)4倍~5倍ほどエアコンは売れている状況になっております」

2023年の記録的な猛暑を受け、売り場を2倍以上に広げました。

エアコンの設置業者も増やして、8月でも1週間以内で取り付けが可能だといいます。

(ヨドバシカメラ 伊藤晴さん)「(全国的にも)北海道が特にエアコンの売れ行きを伸ばしていて、札幌店としてもことしが恐らく一番売れている状況になっております」

気になる?道内のエアコン普及率は?

過去最高の売れ行きをみせるエアコン。

道内の普及率はどうなっているのでしょうか?

マチで聞いてみると…

(エアコンがある人)「自宅にいるときはずっと使っています」

(エアコンがある人)「あります。夕方から西日が入るので、午後から入れて夜9時くらいまで」

(記者)「自宅でどう過ごしていますか?」

(エアコンがない人)「窓を開けて扇風機で過ごしてって感じですね。我慢できなかったらビールかなんかで(笑)」

100人に聞いた結果「エアコンがある」が62人「ない」が38人。

10年前の総務省の調査で26.6%だった普及率は、大幅に伸びたといえそうです。

中にはこんな方も…

(松原智津子さん)「ないんです。我慢しないでエアコンをつけてくださいってテレビでもおっしゃっているけれども、無いからどうしようかっていう」

エアコンの設置を検討中という89歳の松原智津子さん。

「死ぬほどエアコンが欲しい」と思ったことはない(笑)

自宅でどう過ごしているのか、訪ねてみると…

(記者)「すごい、風通しが非常にいですね」

(松原智津子さん)「いいでしょう。風通しがいいのでエアコンがなくて我慢してるの」

一人暮らしの松原さん。

夏の間は部屋にある5か所の窓を全て開け、風通しをよくしています。

(松原智津子さん)「窓を開けといたらどこかに涼しい風が入って来るっていう感じ。どうしても死ぬほどエアコンがほしいと思ったことはない」

松原さんは俳句の会を主宰していて、会員が作った俳句を添削するのが日課です。

(松原智津子さん)「この扇風機のおかげで暑いけれども我慢ができないほどでないかなと思って」

ことし友人からプレゼントされた扇風機で日中の暑さをしのいでいます。

それでも気になるのが熱中症です。

(松原智津子さん)「喉が特別渇かないのよ。年寄りだからかしら。だけどほら渇かなくても飲んでくださいっていう時はちょっと気をつけるけど」

札幌市消防局によりますと、2024年に熱中症で救急搬送されたのは219人。

このうち半数以上の111人が住宅内から搬送され、うち74人が高齢者でした。

高齢者は暑さに気づかない…熱中症に注意!

熱中症に詳しい専門家は、特に高齢者は注意が必要だと指摘します。

(帝京大学医学部附属病院 三宅康史教授)「高齢になると暑い方が居心地がいい、寒がりになるんですよね。ですから暑くても気がつかない」

高齢者は基礎代謝が低下するため、暑さを感じにくくなるといいます。

(松原智津子さん)「温度計も湿度計も全部。毎日管理しています」

そのため、松原さんは部屋の温度や湿度を必ずチェックしています。

(松原智津子さん)「(目安は)夏になったらやっぱりね25度ぐらい。それ過ぎたらね、きょうは暑い日かしらって思っている。(部屋に)いられないときはすぐデパートとか、冷房の効いている地下街を散歩しています」

夏を乗り切る“クーリングシェルター”

猛暑が続く中、札幌市はこの夏から、図書館や区民センター、スーパーなどエアコンがある100か所の施設を「クーリングシェルター」=暑さを避ける避難所に指定。

真夏日となったこの日も、家族連れなどが涼を求め図書館を訪れていました。

(図書館の利用者)「裏の公園で遊んでいたら、子どもが熱中症になりかけたので避難した」

(図書館の利用者)「(子どもが)外に行きたいと言うので涼しいところにという感じ」

専門家も熱中症を予防するために、暑い時間帯のクーリングシェルターの利用と高齢者のケアが重要と訴えます。

(帝京大学医学部附属病院 三宅康史教授)「熱中症予防、本来はエアコンが特効薬なんですけれども、温度計とか湿度計をちゃんと置いて、感覚じゃなくて28度を超えてきたら体を冷やそう、冷えた水分をちょっと飲んでおこうという風に自覚することも必要ですし、高齢者を暑さから守るというのは非常に重要なことになります」

2024年の夏も厳しい猛暑となっている北海道。

暑さを乗り切るために、エアコンの有効活用と適切な体調管理が求められます。

08/03(土) 09:03

北海道