「長い間待っていた」海外輸出に北海道の酒蔵も期待 「伝統的酒造り」が無形文化遺産に登録
日本酒や焼酎などをつくる技術である「伝統的酒造り」が、ユネスコの無形文化遺産に登録されることが決まりました。
北海道でも喜びの声が上がっています。
日本時間の5日未明、パラグアイで開催されているユネスコの政府間委員会で、日本に新たな無形文化遺産が生まれることが決まりました。
日本酒や焼酎、泡盛などをつくる技術である「伝統的酒造り」です。
小樽市の酒造会社を経営している田中社長です。
今回の登録に向けて活動を続けていました。
(田中酒造 田中一良社長)「大変ありがたくて感謝感激。この時を長い間待っていたので喜びもひとしおです」
国内では近年、日本酒の消費量は年々落ち込んでいました。
そこで、国際的な評価が上がれば世界で消費が拡大すると活動を続けていました。
(田中酒造 田中一良社長)「世界に出ていかなけれな日本酒は残っていけない。非常に期待する」
今回、無形文化遺産に登録されたのは日本酒そのものではなく、その「つくり方」です。
中でも今回の登録にあたり注目されたのが、日本独自の「麹菌」の存在です。
麹菌の胞子を振りかけ米麹をつくっていきます。
できた米麹を原料のコメと水とタンクに入れて発酵させると日本酒が出来上がります。
「伝統的酒造り」は室町時代に原型が確立したあと、日本各地の気候風土に合わせて発展し、現代まで受け継がれてきたことが評価されました。
この日も酒蔵には海外から多くの観光客が訪れていました。
日本酒はいま海外で注目されていて、海外への輸出量も右肩上がりに増えています。
(台湾からの観光客)「飲みやすい、いい香り、おいしい」
(福井県からの観光客)「日本人として誇らしい。世界中で飲んでもらえるといい」
(田中酒造 田中一良社長)「伝統的な酒造りの技術や手法を保持していくのも大事な使命。業界が一丸となって取り組んでいきたい」
今回のユネスコの無形文化遺産の登録により再び注目される日本酒業界。
道内の関係者も今後のさらなる発展に期待しています。