札幌・すすきのでも“夜カフェ”大人気!訪れてわかった納得の理由・イマドキのニーズが見えた!
深夜まで営業する、その名も「夜カフェ」がいま全国的にも人気で、北の一大繁華街・すすきのでもその数は増えています。
夜のマチでアルコールではなくコーヒーやスイーツを求める客のニーズとは?
札幌で盛り上がりを見せている「夜カフェ」を訪れてみると、「3つのキーワード」が見えてきました。
さっそく札幌・すすきの”夜カフェ”を訪ねてみると…
週末の夜10時。
札幌・すすきのにあるこの店。
なかなかの賑わいです。
2階に上がってみても…このにぎわい!
ただ、ほとんどの来店客が注文するのはー
(店員)「お待たせしました、チョコレートパフェです」
(来店客)「かわいい~」
いまや定番となった感もある「シメパフェ」です。
この店は「夜カフェ」。
いま全国の繁華街で注目されている、夜に営業するカフェなのです。
(来店客)「うまっ!」
(来店客)「あんまり甘くなくて美味しかったです」
1日にパフェが100個売れるほどの人気!
それにしても、なぜ夜のマチ・すすきのでカフェやパフェが人気に?
【キーワード①飲まない?】お酒を”飲みたい人”も”飲まない人”も一緒に
(来店客)「お酒を飲めない民としてはありがたい」
(来店客)「飲みたい人は飲めるし飲みたくない人も一緒に楽しめる」
(シナー 杉澤恵輔オーナー)「一次会でご飯を食べて、そのあと2軒目3軒目でスイーツとか茶を飲む客が多い。20代30代の女性客がメインで8~9割。その客が酒を頼むのが以前よりは少なくなった印象。茶とかコーヒーを頼むことが多い」
この店の営業時間は午後3時から、平日でも午後11時半まで。
カフェならではのゆったりと静かな空間で、夜遅くまでおしゃべりをしたいというニーズがあるのです。
【キーワード②しゃべりたい?】お酒なしでゆっくりとした時間を…
エレベーターを降りるとそこは、間接照明に照らされた大人の空間。
時刻は日付も変わる午前0時近く。
こちらも、すすきのでいま人気の「夜カフェ」です。
来店客が楽しむのは、アルコールではなく「コーヒー」です。
(来店客)「飲んだ後にコーヒーを飲んで家に帰るとか、そういった一回落ち着くのがいいのかな」
(来店客)「しゃべり足りないときにゆっくり落ち着いてノンアルコールを飲みながら話せるっていうのがいい。思う存分話せました」
(マーレイ東店 佐藤岳さん)「飲んできた後で使われる方が多いので、コーヒーを楽しんでいただき、ここをしめにして帰られる方が多い」
この店のウリは、全て自家焙煎のコーヒーです。
アルコールを飲んだ後にゆったり味わう“しめコーヒー”。
店内には若い客の姿も目立ちます。
(記者)「何を飲んでいますか?」
(来店客)「カフェクリームのアイスとホットです」
(来店客)「めちゃめちゃおいしい」
(来店客)「甘さ控えめ」
(来店客)「めっちゃ好きです」
(来店客)「やっぱりゆっくり話せるっていうのもあるし」
(来店客)「話すのが好きなので」
(来店客)「落ち着いて話せるから本当に過ごしやすいです」
2軒目にゆっくりできる店を…というニーズが、若い世代を中心に増えているといいます。
(マーレイ東店 佐藤岳さん)「この店舗は4年前にオープンして、コロナの真っ最中だったので、お客さんがすごい少ない状態できたんですけど、ここ1か月2か月で平日も割と夜の時間帯はパンパンになる」
ニーズの変化は「イマドキの若者」に理由が? アルコール消費量は右肩下がり
すすきのや札幌のグルメ事情に詳しい雑誌の編集者は、ニーズの変化の要因をイマドキの若者の気質に求めます。
(ポロコ 福崎里美統括編集長)「若い世代のアルコール離れ、ヘルシー志向もあり、1軒目で食事と一緒に少しは飲むけれども、それ以上はムリに飲まなくても、でももうちょっとおしゃべりしたいとか時間が早いからというのは感じる」
1992年をピークにアルコールの消費量は右肩下がり。
2022年にはピーク時から24%も減少しました。
アルコール離れも「夜カフェブーム」に拍車をかけていると言えそうです。
【キーワード③多様化】アルコールVSノンアルコールは”ほぼ拮抗”!?
札幌駅エリアの石蔵を利用したこちらのカフェでは、アルコールを楽しむ客も多い一方でー
(来店客)「めちゃくちゃ濃厚です。大人の味」
パフェを楽しむ人も。
夜9時の客席には22人いましたがー
アルコールを飲んでいた人と飲んでいなかった人は9対13とほぼ拮抗。
家族で訪れたこちらの客は、ノンアルコールで夜カフェを楽しんでいました。
(来店客)「誕生日なんです、ママの」
(来店客)「息子夫婦にお祝いしてもらっています」
食事は1軒目の店で済ませてきたといいますがー
(来店客)「ちょっとまだ小腹がすいたなっていう」
(来店客)「ラムキーマが来ましたよ」
息子夫婦は食事を、両親はパフェを楽しみます。
一方、学生時代の仲間で久しぶりに集まったという5人組は、2次会で飲み直すためにこの店を訪れたといいますがー
(来店客)「パフェ頼むでしょ?」
(来店客)「お酒を飲んだあと、そのままカフェみたいにもできるからすごくいいんじゃないかなと思います」
この店は、アルコールもパフェも同じくらい力を入れています。
(ROGA 太田晃資オーナー)「午後8時くらいの時間帯は、先にご飯を食べている方が2軒目行きましょう、でも2軒目から合流できるという人もいるので、2軒目の最初にご飯食べたいんだよねっていう人と、引き続き酒も飲んでいたいんだよね、ご飯いらないから甘いものと茶を飲みたいんだと、そういうミックスがウチが一番得意だと思う」
繁華街の様々な客のニーズに応える「夜カフェ」も増えてきているといいます。
(ポロコ 福崎里美統括編集長)「いろんな業種の垣根が少しずつなくなって自由になっている。カフェでもあるしバー使いもできるしといういろんな使い方が出来て、一番大きいのはちょっと心地よい空間、おしゃべりができる空間なので、利用したいというシーンは増えるのではないか」
時代とともに様変わりする夜のマチ。
「夜カフェ」は令和の繁華街を象徴する存在と言えそうです。